華やかなリオ五輪の裏で宿泊価格が崩壊! Airbnb42倍増の恐怖

向井通浩

 現地リオの宿泊施設事情に詳しいコーディネーターは、「オリンピックで宿が足らないから、既存の宿泊施設から溢れた分を民泊で補おうという考えだった。しかし蓋を開けてみると違っていた。特に今回ブラジル人は圧倒的に民泊を利用した」と話す。

 こうした状況に、民泊と需要層がかぶるゲストハウス経営者は苦々しい思いを隠そうとしない。リオでゲストハウスを営む日本人のAさんは語る。

「民泊オーナーさん達もそれなりのコストをかけて始めてますからね。予想していた額の3分の1にもならなかったので、五輪期間中に投資額の回収ができなかった人も多いですよ。だとしても、やめるにやめられないから、今後業者の間ではダンピング合戦が加速するでしょう。利用者は嬉しいかもしれないけど、ウチでも今後は雇用をセーブして時短もして押さえていかなければならない状況です。」

 Aさんの友人でブラジル人のゲストハウス経営者B氏は、「元々、一過性のワールドカップやオリンピックで稼いでやろうなんて思っていない。それよりもこの民泊と安宿の乱立が落ち着き淘汰されて元の宿泊施設数になるまでウチが持ちこたえられるだろうか。ファミリー経営だが、このまま集客も単価も戻らなければ他の収入源も探さなければならないし、ファミリーの何人かは他へ働きに出さないといけない。何よりも心配なのはリオのカーニバル。このままではオリンピックと同じことが毎回リオのカーニバルでも起こることになる。カーニバルを年4回にしてほしいね。」と、やるせなさを滲ませてた。

 日本でも2020年のオリンピックイヤーに向けて宿不足だと民泊での対応が声高に叫ばれているが、リオ・デジャネイロを教訓としなければ、東京や日本中でも同じことが起こるのではないだろうか。東京も毎月のように宿泊可能ベッド数が増え続けている状況の中で、もう一度必要ベッド数を算出し、オリンピック時に供給されるであろう計画中の宿泊施設も含めてトータルで直すべき時期にきている。山手線で30分程度の千葉県・埼玉県・神奈川県に民泊を拡大してまで、その力が必要なのであろうか?

<文/向井通浩 写真/もりや
250軒以上の安宿を網羅した国内最大のバックパッカー&ゲストハウス宿リンクサイト「ジャパン・バックパッカーズ・リンク」代表、ジャーナリスト。インバウンドとその周辺事情に精通している。

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