米金融専門誌で中央銀行総裁・議長の格付け公開。黒田日銀総裁の評価は?

日銀黒田総裁、米FRBイエレン議長の評価は?

 日銀の黒田東彦総裁は、評価「B」を獲得した。黒田総裁の評価は、2013年は就任期間が1年に満たないことから「Too early to say」(評価するには時期尚早)であったが、2014年「B+」、2015年「B」、2016年「B」となっている。  黒田日銀は2013年4月に「量的・質的金融緩和」を導入したが、その後3年余りの間、日本経済は大きく改善し、デフレではないという状況にはなった。雇用・所得環境は大幅に改善した。一方で、これだけ大規模な金融緩和を行っても2%の「物価安定の目標」は実現できていない。その結果として、黒田総裁の評価が2014年「B+」から2015年「B」へのダウン・グレードへ繋がったと考えられる。  もっとも、日銀前総裁の白川方明氏の評価は、2011年「C」、2012年「C−」であったことを思うと、未だ目標には達していないものの、黒田総裁のデフレ脱却への貢献は大きいと言っていいだろう。  米FRBイエレン議長は、「A−」を獲得した。2014年は「Too early to say」(評価するには時期尚早)であったが、2015年「A−」、2016年「A−」と、上から2番目の同じ評価が続いている。  イエレン議長は、株式・為替・債券マーケットや新興国経済に大きな悪影響を及ぼすことなく、年内の利上げをソフトランディングさせられるかが、今後の評価に関係してくるものと思われる。黒田日銀総裁とともに、イエレン議長も、今年の金融政策の判断は重要である。 <文/丹羽唯一朗>
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