アジアでは、フィリピンAmando Tetangco Jr.(アマンド・テタンコ総裁)、台湾Fai-Nan Perng(彭淮南総裁)が中央銀行総裁格付けで最高評価「A」を獲得したが、実は、二人は「A」格付けの常連である。
フィリピンのAmando Tetangco Jr.(アマンド・テタンコ)総裁は、2005年に中央銀行総裁に就任。2006年、2007年に「A」を獲得し、その後、2011年から2016年まで6年連続で評価「A」を獲得、2016年は8度目となる「A」獲得であった。国際通貨基金(IMF)フィリピン理事も務め、アジア通貨協力の枠組み作りに深く関わる。(参照:
NNA ASIA )
2012年以降のフィリピンの経済成長率は、ASEAN主要国の中でもトップクラスである。需要面で足元の景気拡大を牽引しているのは個人消費であるが、在外フィリピン人労働者からの送金、および、最近のフィリピン・ペソ高も物価の安定を通して消費拡大に寄与している。最近のインフレ率はフィリピンの中央銀行のターゲットレンジ(4.0%±1.0%)に収まっており、安定的に推移している。(参照:
三菱UFJリサーチ&コンサルティング「フィリピン経済の現状と今後の展望」)
台湾のFai-Nan Perng(彭淮南)総裁は、1998年の中央銀行総裁就任後、2000年に初めて「A」を獲得し、その後、2005年から2016年まで12年連続で評価「A」を獲得している。世界で唯一、評価「A」を13回獲得した中央銀行総裁となっている。(参照:
Taiwan Today)
2016年6月30日、台湾の中央銀行は、四半期連続の利下げを発表した。輸出主導の台湾経済は成長見通しが引き続き圧迫されており、市場では追加緩和が幅広く見込まれていた。このように、直近でも、台湾の中央銀行は、適切な金融政策をとっていることがわかる。