宇宙へ羽ばたく「こうのとり」 ――宇宙ステーションへ物資を運ぶ日本の無人補給機

各国と協力して補給物資を運ぶ「こうのとり」

オーロラを背景に飛ぶ「こうのとり」 Photo by NASA

「こうのとり」は宇宙航空研究開発機構(JAXA)が開発した無人補給船で、国際宇宙ステーション(ISS)へ酸素や窒素などの空気、食料品や水といった人が生きるのに必要な物資をはじめ、衣服や日用品、さらにISSの実験装置や、予備の部品などを輸送することを目的としている。搭載可能な補給物資の質量は約6トンにもなる。  ISSへの補給を終えたあとは、地球の大気圏に再突入して処分される。その際、機内にはISSで発生したゴミが積み込まれており、機体もろとも処分する役目ももっている。 「こうのとり」の全体は缶のような円筒形をしている。全長は約9.8mで、直径は約4.4m。補給物資を満載した状態の質量は約16.5トンにもなる。これほど大きく重い宇宙船を飛ばすのは大変で、従来日本がもっていたロケットは能力が足りず、そのため前回紹介した日本最大のロケット「H-IIB」が開発された。(参照:「これが三菱重工のロケット工場だ! 日本最大のロケット「H-IIB」6号機を見てきた」)  製造は三菱重工や三菱電機、IHIエアロスペースなど、日本を代表する航空宇宙企業が共同で手がけている。H-IIBの組み立てが行われる飛島工場でも製造過程の一部を担っており、筆者らが見学に訪れた際にも別の部屋で何らかの作業が行われていたはずだが、「こうのとり」は宇宙で動くため、ロケット以上に慎重な取り扱いが必要となる。とくに製造中は塵や埃が入り込んだり、付着したりすることもっての外なので、その現場に部外者がやすやすと入ることはできず、これまで公開されたことはない。
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各国の補給船、そしてこうのとりの「役割」
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