帝京ロンドン学園サッカー部顧問に訊く、高校生がイギリスでサッカーを学ぶ意味

選手養成以外の授業も

1988年生。日本体育大学体育学部体育学科卒。在学中よりサッカー指導者を志し、小学生から高校生まで幅広い年代のコーチングを担当する。卒業後は拠点をロンドンに移し、現在は帝京ロンドン学園にて主にサッカーコースの指導に当たっている

――まず、帝京ロンドン学園サッカーコース開設の経緯を教えてください。  学園自体は、1989年に創設され、サッカーコース2008年に開設されました。それ以前からサッカー部自体はあって、「本場でサッカーをやりたい」とサッカー目当てで入学してくる子ども達が多かったため、それならそのニーズに応えようということで、サッカーコースを開設しました。基本的に寮制ですが、一部通学して通う生徒もいます。サッカー部は全員が寮生ですね。現在は、3学年合わせて12名で部活動を行っています。

食事はバイキング形式、栄養面もしっかりと考えられている。

――具体的に、どういった授業を行っているのでしょうか。  午前中は普通科コースの生徒と同じ授業を受けていますが、午後からはサッカーコース独自の授業を行っています。一例を挙げますと、動画を使ったサッカー戦術の解析、専属のフィジカルトレーナーが個別に組むフィジカルトレーニング、プロ選手を輩出しているアカデミーのイギリス人コーチによるボールトレーニング。しかしこれらはあくまで一例です。というのも、サッカーコースに入学してくる生徒たちの希望が「プロ選手として契約したい」という生徒ばかりではないからなんです。トレーナーを希望する生徒もいれば、まだ漠然と「サッカーの仕事に就きたい」とだけ考えている生徒もいる。なので、トレーニングだけでなく第一線で活躍しているサッカー関係者を講師として招聘し、トレーニング以外の授業も行っています。具体的には、サッカー代理人の方に来ていただいて、契約書の作り方を講義してもらったり、イギリスでのサッカー指導者(コーチ)の資格を取得させたりと様々です。最近では、プレミアリーグで撮影を担当しているフォトグラファーの方に来ていただき、実際にプロの機材で写真を撮ってみる、という授業を行いました。これは生徒から大変好評でしたね。これらのサッカーコースの講義は、基本的に英語で行っています。
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