この通り、ヘッジファンドだからといって必ず運用成績がよいとは言えない。レバレッジをかけて、戦略にしたがって運用するわけであるから、戦略が当たればレバレッジをかけた分、リターンは大きいが、当たらなければ、レバレッジをかけた分、損失も大きい。リターンを大きくするためにレバレッジをかけるわけであるが、別の言い方をすれば、レバレッジをかけなければならないほど「素の」リターンは高くはないのだろう。
ヘッジファンドの運用スタイルは、一種の「賭け」と言ってよい。一方、S&P500に連動するETFなどを保有するパッシブな運用スタイルは「賭け」ではない。「賭け」だから、勝ったり、負けたりするのだろう。
こうした中、ヘッジファンド業界は人工知能を活用するのがトレンドとなってきている。米経済誌「フォーブス」の2015年のヘッジファンド報酬額ランキングでは、上位10人のうち5人が人工知能を活用していると言われている。
ニュースの見出し、ネット上の書き込み、人工衛星で撮影したスーパー駐車場の写真、店内の監視カメラのデータ、エルニーニョ現象、漁獲高、出生率といった経済に絡むあらゆるデータを使って、人工知能による運用が始まっている。(参照:
日経新聞)