欧州市場の麻薬の集荷そして流通拠点となるオランダ・ロッテルダム

ロッテルダムから全欧に広がる麻薬禍

 時を遡って、〈2013年にはパキスタンからロッテルダムに入港の繊維製品を積んだコンテナーから202キロのヘロインが検出された〉ことがあった。警察は〈その最終目的地は英国だと看做した〉そうだ。英国は麻薬常習者が多く、その数は〈25万人いる〉といわれている。また、昨年5月にはイランから送られた〈12000ダースのケースに入った干しぶどうを積んだコンテナーから764キロのヘロインが検出〉〈この市場相場は1700万ユーロ(20億円)になる〉という。2016年3月には〈既に化学反応させた1200キロの薬物を警察が押収。1キロあたり5万-10万ユーロ(600万円-1200万円)の価格になる〉代物だという。  ロッテルダムでの麻薬の取り扱いが増えている影響で、1980年代にスペインで麻薬の宝庫とされたガリシア地方がまた麻薬で満たされそうだ。  すでに、同地方で最近また麻薬の押収が増えている。同地方のトゥイ市で昨年4月に56キロそして12月には27キロが押収された。ガリシア地方で昨年1年間で〈256キロの麻薬が押収れ、一昨年に比べ12キロの増加〉だという。しかし、これは2012年の282キロと2013年の291キロの押収量に比べるとまだ少ないが、今後増加して行く様相を呈しているという。 (参照:「El Pais」6月3日付)。  この数年、オランダで牛取っている〈麻薬組織はモロッコとカリブ海出身者で、特にコカインを中心に市場を占有している〉という。そして最近は〈アルバニア出身のマフィヤが台頭〉しているという。 <文/白石和幸> しらいしかずゆき●スペイン在住の貿易コンサルタント。1973年にスペイン・バレンシアに留学以来、長くスペインで会社経営する生活。バレンシアには領事館がないため、緊急時などはバルセロナの日本総領事館の代理業務もこなす。
しらいしかずゆき●スペイン在住の貿易コンサルタント。1973年にスペイン・バレンシアに留学以来、長くスペインで会社経営から現在は貿易コンサルタントに転身
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