それでは、バークシャー・ハザウェイがアップルに初めて投資した意味合いは何か? それは、ウォーレン・バフェット氏およびバークシャー・ハザウェイが、アップル株を「バリュー株」で、かつ、「わかるもの」と認識したということであろう。
まず、「バリュー株」であるかどうかについては、6月3日時点の終値97.92ドルであり、PER10.90、配当利回り2.33%、Yahoo! Financeの1年以内の目標株価123.98ドルとなっている。PER10.90と「割安」であり、すなわち、「バリュー株」と言える。配当利回りも高く、目標株価との乖離も大きい。
次に、「わかるもの」であるかどうかについては、バークシャーがそのように認識しているという他は無い。従来、「長期的にどのハイテク株が勝つか、よくわからない、予見できない」からハイテク株をバークシャーは避けてきた。アップルの場合は、それに当てはまらないと認識したと考えてもおかしくないだろう。
ただ、バークシャーによるIBMへの投資については、昨年12月末時点、株価139ドルで、含み損が26億ドルあった。6月3日時点、152ドルまで株価は回復しているが、これまでのところ、IBMへの投資を成功と見る向きは少ない。 IBM投資の実績から、第三者から見て、バークシャーがハイテク株を本当にわかっているのだろうかという疑問はあるだろう。アップル株についても、「バリュー株」であることは同意できても、バークシャーがハイテク株を本当にわかっているのかという疑問はあるだろう。