創業嘉永2年。老舗「山本海苔店」を守ってきた百年前の「家訓書」とは?

代々の当主が受け継ぐ、創業者の名前と門外不出の家訓書

 このように江戸の幕末に始まり、明治、大正、昭和、平成と海苔一筋に老舗の看板を守ってきた山本海苔店、その当主は上記で触れた通り、創業者の名前を代々受け継いでいるわけですが、同時に当主が代々受け継いでいる門外不出の家訓書があるそうです。  本店の金庫にあるというその家訓書は「諸事書留帳」という2冊からなる墨で記された和綴本で、書いたのは上記の2代目です。その中身は「お客様を第一に考えよ」「本業を踏み外すな」「質素倹約に努めよ」「一族みな仲良くしろ」「善根陰徳をなせ」といった、いつの時代にも変わらない大事が書かれているようですが、中には「跡継ぎが成人に達した時、無能だったら、お店の許せる範囲でお金をあげて仕事をさせるな」といった具体的なことも書かれているようです。  ここ最近、大塚家具セブンイレブンベネッセ等、創業者や創業家と企業経営のあり方が何かと話題になることが多く、老舗や大企業であるほど、社内外の環境変化が大きかったり、ステークホルダーが多いため、単純に答えを出すのが難しい問題ですが、もしかすると「諸事書留帳」には100年前の敏腕経営者の考え方が記されているのではないかと、少し興味が湧きますね。 決算数字の留意事項 基本的に、当期純利益はその期の最終的な損益を、利益剰余金はその期までの累積黒字額or赤字額を示しています。ただし、当期純利益だけでは広告や設備等への投資状況や突発的な損益発生等の個別状況までは把握できないことがあります。また、利益剰余金に関しても、資本金に組み入れることも可能なので、それが少ないorマイナス=良くない状況、とはならないケースもありますので、企業の経営状況の判断基準の一つとしてご利用下さい。 【平野健児(ひらのけんじ)】 1980年京都生まれ、神戸大学文学部日本史科卒。新卒でWeb広告営業を経験後、Webを中心とした新規事業の立ち上げ請負業務で独立。WebサイトM&Aの『SiteStock』や無料家計簿アプリ『ReceReco』他、多数の新規事業の立ち上げ、運営に携わる。現在は株式会社Plainworksを創業、全国の企業情報(全上場企業3600社、非上場企業25000社以上の業績情報含む)を無料&会員登録不要で提供する、ビジネスマンや就活生向けのカジュアルな企業情報ダッシュボードアプリ『NOKIZAL(ノキザル)』を立ち上げ、運営中。 <写真/nimame
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