中小企業白書に見る「稼げる中小企業」とそうでない中小企業の差

アベノミクス不発だった中小企業

 売上伸び悩みの主因となったのは、卸売業・小売業・サービス業については 「需要の停滞」が 上位に位置しており、卸売業であれば 「販売単価の低下・上昇難」、小売業であれば「大・中型店の進出による競争の激化」、サービス業であれば「利用者ニーズの変化への対応」が挙げられている。  また、大企業には量的・質的金融緩和による結果としての円安の恩恵を受けやすい輸出関連企業の割合が高いため、円安効果により売上高が増えた。一方、中小企業には輸出関連企業の割合が低いため、円安効果が効かず、売上高の伸びにつながらなかったことが挙げられる。  従業員数、従業員の賃金についても、大企業と中小企業とでは傾向が異なる。アベノミクス以降、大企業では従業員および賃金は増えたが、中小企業では減少の後に横ばいが続く。白書では、“中小企業の従業者数が減少している背景には、 依然として規模の大きな企業との賃金の差が縮小しないこと等が考えられる。”としている。
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稼げる中小企業は何が違うのか?
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