では、この状況を変えるためには何か必要なにか?市民、企業、行政と森林組合連合会を繋ぐ活動を行う「グリーンバナー推進協会」(
http://www.greenbanner.jp/)事務局長の榎本貴志氏によれば、杉の木を有効活用させ、その絶対数を管理することという。
「樹木の伐採というと、一般的にマイナスな印象を持たれることが多い。ただ、スギやヒノキといった人工林に関しては適宜間伐し、しっかりと管理しないと森や生態系が死んでしまい、災害多発にも繋がる。樹木の密集を適度に緩和することは環境や人々の生活を守るために必要です。特にスギやヒノキばかりという日本の人工林は、すでに赤よりの黄色ランプが灯っているといえます。スギはストレスを緩和する効果があり、住宅の木材として適している。そういった特性を理解し、意識的に有効活用することで人工林の杉の数を減らしていかないと、近い将来、私達の暮らしに甚大なダメージを与えることは明白です」
大阪府の森林関係の予算を例に見ると、平成14年に32億円あったにも関わらず、現在は約3分の1まで縮小している。業界の特性的に行政との関連は避けては通れないだけに、問題の根深さを感じずにはいられない。<取材・文/栗田シメイ>