花粉症の増加は人工林の増加と比例していた!? 森林荒廃問題の真実

増えすぎた人工林

 大きく分けて国内に存在する木の種類は2つ。1つは、屋久島や熊野といった“秘境”に存在する何百年、何千年とその地に根を張ってきた天然林。もう一つが国内の木のおよそ40%を占める、スギやヒノキといった人の手で増やされた人工林だ。  そして、大きな問題となっているのが、この人工林が“増え過ぎ”ており、その大半が管理されていないこと。人工林はエネルギーとなるメリットもあるが、虫が寄り付きにくいという独自の特性がある。そのため魚や草木が育たず生態系のバランスが崩れ、水質汚染や土砂災害などに繋がるリスクも帯びている。  また、花粉症の主要因の1つであるスギ花粉については、樹林後30~50年の間にピークに達するといわれており、このままだと私達は半永続的に花粉症に悩まされ、水害や土砂災害の影に怯え続ける日々を過ごすことになるかもしれない。

いったん中に入ると、このように荒廃している森林も珍しくないという

 特に茨城、静岡、愛知、三重、奈良、和歌山、徳島、愛媛、高知、福岡、佐賀、熊本、鹿児島といった県全域の森林面積に対して、スギ・ヒノキが占める割合が50%を超えるような地域はその傾向がより顕著に現れることも予測される。
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数を管理するための「伐採」
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