お粗末経営で倒産も、看板商品のリニューアルで復活の狼煙
このように、看板のキャラメルコーンはじめ、多くのロングセラー商品によって成長を遂げた東ハトでしたが、2002年には不祥事により社長が解任、2003年には関連会社所有のゴルフ場不振から460億円もの負債を抱えて、倒産。民事再生法の適用を申請します。
しかし、本業の菓子製造販売は黒字経営であったため、ユニゾンキャピタル傘下にてバンダイと丸紅が協力し、再建を果たします。その際に、プロサッカー選手の中田英寿氏を非常勤の執行役員CBO(Chief Branding Officer)に迎えたことでも話題になりましたね。
その中田氏も関わった再建策の一つがキャラメルコーンのリニューアルでした。1971年の発売当初より長らく続いたパッケージを一新。親しみのある大きな特徴の「ベースの赤色」と「中身が見える丸い窓」は残しつつ、袋全体を顔に見立てて、優しい青い瞳をした「
キャラメル・コーンくん」が誕生します。
ちなみに、検討段階では口の中がキャラメルコーンでいっぱいになっていたようですが、それだと息苦しさを感じるとの意見が出たため、現在のように上部に隙間を空けた口になっています。
また、この新パッケージにより、フレーバー展開も効果的にできるようになり、年間約30種類販売されています。中でも抹茶やいちごなど、定番の季節限定品が人気のようです。またクリスマスやひな祭り、端午の節句など、より「顔」が生きる催事商品や
有名漫画キャラとのコラボなんかも見ていて楽しいですね。
カラムーチョを超える「辛い」新商品を開発するという超難問
こうして、看板商品のキャラメルコーンのリニューアルで、復活への狼煙を上げた東ハトでしたが、とはいえ本格的な復活には既存商品のベースアップだけではなく、社内外に復活を印象付けるような新商品が必要でした。
そして、キャラメルコーンはもちろん、ハーベストやオールレーズンを擁し「甘い」スナックの第一人者だった東ハトがその戦場として選んだのは「辛い」スナックでした。ちなみにスナック菓子の最大戦場「しょっぱい」にはカルビーのポテトチップス他、競合ひしめくので、そこにはいかなかったようです。
とはいえ「辛い」スナックにも、そもそも「辛い」をカテゴリとして確立したコイケヤの名作「カラムーチョ」がいます。そのカラムーチョを超えるような「辛い」スナックを作る、という難問に取り組んだ結果、辿り着いたのが、当時世界で一番辛い唐辛子の
ハバネロ(現在はもっと辛いものが発見されてます)でした。