AIやロボットの台頭で、最悪735万人の雇用減を予想。経産省の見通し

「新産業構造ビジョン」の具体的戦略

「新産業構造ビジョン」の具体的戦略は、以下である。 ①データ利活用促進に向けた環境整備 ②人材育成・獲得、雇用システムの柔軟性向上 ③イノベーション・技術開発の加速化(「Society5.0」) ④ファイナンス機能の強化 ⑤産業構造・就業構造転換の円滑化 ⑥第4次産業革命の中小企業、地域経済への波及 ⑦第4次産業革命に向けた経済社会システムの高度化

「第4次産業革命」が雇用に与える影響

 2015年の雇用者数は、6334万人である。2015年に比較して、2030年の雇用者数は、「現状放置シナリオ」では735万人の減少、「変革シナリオ」では161万人の減少が、それぞれ予想されている。 「現状放置シナリオ」では、スーパーのレジ係や製造ラインの工員といった仕事がAIやロボットに置き換わる。顧客対応型製造部門や役務・技術提供型サービス部門での雇用者数の減少が大きいと予想されている。  一方、「変革シナリオ」では、付加価値の高いサービス業などが成長し、雇用減を補い、高所得の雇用が増える。情報サービス部門が「第4次産業革命」の中核を担い、成長を牽引する部門として、付加価値・従業者数が大きく拡大する。また、おもてなし型サービス部門(旅館、飲食、娯楽 他)で、顧客情報を活かした潜在需要等の顕在化により、ローカルな市場が拡大し、付加価値・従業者数が拡大すると予想されている。
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人工知能は人の仕事を奪うのか?
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