ほとんどの客室の窓に灯りが点いていない別府駅近くの老舗リゾートホテル
宿泊キャンセル、最も深刻なのは大分県-長期休業する宿泊施設も
こういった地震による影響は、昼間よりも夜にあからさまなものとなる。連休中だというのに、大型ホテルの窓にはあまり明かりが点いていないのだ。
実は、地震による宿泊キャンセルが最も深刻なのは熊本県ではなく大分県だという。
各自治体・観光協会のまとめでは、4月28日現在で熊本県の宿泊キャンセル数が約14万6500人なのに対し、大分県は約15万人以上に達している。
熊本県内では、熊本市周辺のビジネスホテルを中心に、復旧工事業者やマスコミ、ボランティアなどの宿泊によって満室のところも多いというが、温泉旅館やリゾートホテルは復興需要の恩恵は少ない。
このような宿泊キャンセルはかなり広域に広がっており、地震の被害が殆どなかった長崎県においても、4月26日までに約7万3400人の宿泊キャンセルが出ているという(ハウステンボスは集計外)。
大分県内では、震災後に営業を再開していたリゾートホテルなどでも、団体客の大量キャンセルなどによって収益が見込めなくなり、これを機に館内整備や耐震補強、建替えをおこなうため再休業するホテルも出てきている。例えば別府駅近くの温泉リゾートホテル「別府ホテル清風」(12階建、530人収容)は地震直後に営業を再開したものの、館内再整備などのためにゴールデンウィーク前まで再休館したほか、別府湾沿いの温泉リゾートホテル「別府富士観ホテル」(11階建、400名収容)は、今後再び大きな揺れが起こった場合に建物の安全性が確保できないとして、数年間に亘る休館・建替えを検討している。
大分県内の全ての宿泊施設に再び灯が点るまでにはしばらく時間がかかりそうだ。