羽咋市がJAと協力、自然栽培による“安全な食”の販路拡大で東京進出

店の入口横に置かれた黒板には、入荷野菜が書かれている

 無農薬・無肥料で行う「自然栽培」の販路拡大を目指す石川県羽咋市が、東京都杉並区内にアンテナショップ「能登みらい農業はくい放送局」をオープンさせた。ガラス張りの店内では、JAはくいの自然栽培米や旬の野菜などを購入でき、食の安全に関心を抱く子育て世帯を支える心強い拠点になりそうだ。  銀座や有楽町などの都心に進出するアンテナショップが多いなか、羽咋市には周辺に小中学校があり、若い世代の多い住宅地に照準を合わせて方南銀座商店街への出店を決めた。二十数㎡の店内には、JAの自然栽培部会の農家や農業塾卒業生がつくった農産物・加工品が並ぶ。  店名の「はくい放送局」は「ここを情報発信地にしたいとの想いで名づけました」と話すのは金増貴大(かねます・たかひろ)店長。「子ども食堂などのイベントをやってみたいですね」と張り切っている。

「自然栽培推進係」を新設、自然栽培食材の学校給食も試みる

 砂浜の波打ち際をクルマで走行できる「千里浜なぎさドライブウェイ」で知られる羽咋市は、2011年に「世界農業遺産」の認定を受けた「能登の里山里海」の玄関口だ。人口2万2537人(3月1日現在)のこのマチが、自然栽培農法の推進に熱心になるにはわけがあった。  それには『奇跡のリンゴ』で時の人となった自然栽培農家、木村秋則さんの存在が大きかった。JAは2010年の講演をきっかけに木村さんを塾長に招いて自然栽培実践塾を開校、3年続けた。さらに「のと里山農業塾」として継承発展、これまで約300人が羽咋の地に集い自然栽培農法を学び、各地で無農薬・無肥料のコメづくり、野菜づくりに励んでいる。
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「量より質を重視」して市とJAが連携
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希望のイチゴ

難題に挑む農家・野中慎吾の、試行錯誤の日々を描く