政府に批判的な報道者はクビが飛ぶ。まるでどこかの国のようなトルコの現状

子どものイタズラさえ罪に問うエルドアン

 トルコで最も影響力のある「ヒュリエット」紙のセダト・エルギン編集長は〈エルドアン大統領を批判したという罪で、検察側は懲役4年の刑を要求している〉という。2014年に大統領に就任したエルドアンを批判して罪に問われた者は1845人を数え、その中に多くのジャーナリストがいるという。  この言論弾圧では、信じられないことに子どもまでもが巻き込まれている。昨年の総選挙キャンペーン中に12才と13才の従兄弟同士がエルドアン大統領のポスターを破ったということで禁固刑に問われるという事件が起きたのだ。しかも、この二人の少年を裁判にかけることをエルドアン大統領は承認したというのだ。(参照「vice」)。

エルドアンの所属政党AKPの汚職疑惑を報じて逮捕

 さらに、「ジュムフリエット」紙の編集長ジュン・デンダルと同紙アンカラ支局長のエルデム・ギュルが、トルコ軍がシリアにトルコの諜報員の指導で秘密裏に武器を送っているのをテレビで放映したとしてスパイ容疑で逮捕された。そして、彼らは今年3月に保釈されたが、この保釈に対しても、エルドアン大統領はメディアの無制限な報道の自由は許されないとして裁判所の判決に不服を表明したという。そして現在公判中であるが、有罪の判決が下されれば無期懲役の刑に処することになるという。(参照「El Pais」)。  3月に政府の管理下に置かれた65万部発行の最大講読者数をもっていた「ザマン」紙のレポーター、バイラン・カマンの場合は、朝5時半に自宅で逮捕された。その理由は彼がエルドアン大統領の公正発展党(AKP)の汚職に絡む問題を2013年12月17日に報道したことと関係があるようだとされている。(参照「Diaria Turco」)。
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エルドアンによる言論統制を見て見ぬふりのEU
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