鉄道愛好家の中でも、何かとトラブルを起こして悪い意味でのニュースになることも少なくない撮り鉄。
今回の例に限らず、線路内に侵入してダイヤを乱すのはもはや当たり前、警笛カバー“タイフォン”が開かないように接着剤でふさぐという暴挙に出た輩もいる。
こうした暴挙を受けて、鉄道専門誌も、時折問題行動を諭すような特集を組むことはある。しかし、大抵は片隅に「マナーに注意して」と記載するのが関の山。それもそのはず、問題行動を諌めるべき立場にあるはずの専門誌が、逆に問題行動を助長するようなことを続けてきたからだという。専門誌にも寄稿するある鉄道ライターは言う。
「以前、線路に侵入して上り線と下り線の間にあるタイガーロープを勝手に取り払ったバカな撮り鉄が話題になりました。これはそもそも専門誌が、読者から寄せられた写真に対して『タイガーロープがない場所で撮影したほうが足回りがよく見えていい』などと解説しているのにも一因があります。タイフォンカバー事件だって、“タイフォンカバーが開いた写真はダサい”という共通認識を作り出してきたのは専門誌にほかなりません。だから、撮り鉄の問題行動を正面切って批判するのは難しいんです。そもそも大事な読者ですしね」