超ロングセラー商品「バスクリン」を育てた創業者――明治・大正時代に「PRの天才」と呼ばれた男の経営センス

「バスクリン」「バスロマン」「バスキング」今では仲間?

 その後、戦争で一度は生産中止になりますが、1950年に販売を再開、高度経済成長期に入ると内風呂のついたマイホームや団地に住む人が増えてくると、販売を銭湯向けからシフト「遠くの温泉より我が家で温泉気分」というキャッチフレーズのTVCMも展開し「バスクリン」は大ヒットの看板商品となり、現在に至ります。 第8期決算公告:3月28日官報159頁より 当期純利益:6億7300万円 利益剰余金:17億1500万円 過去の決算情報:詳しくはこちら http://nokizal.com/company/show/id/1570622#flst  このような歴史で生まれてきた「バスクリン」ですが、2008年にMBOによりツムラグループから独立、2012年にアース製薬の完全子会社となっています。また、アース製薬は2014年に白元アース製薬もグループに加えてますので、アース製薬グループとしては現在「バスクリン」「バスロマン」「バスキング」という3ブランドの入浴剤を抱えて、花王の「バブ」等とシェア争いをしているのも、少しカオスで面白いですね。 決算数字の留意事項 基本的に、当期純利益はその期の最終的な損益を、利益剰余金はその期までの累積黒字額or赤字額を示しています。ただし、当期純利益だけでは広告や設備等への投資状況や突発的な損益発生等の個別状況までは把握できないことがあります。また、利益剰余金に関しても、資本金に組み入れることも可能なので、それが少ないorマイナス=良くない状況、とはならないケースもありますので、企業の経営状況の判断基準の一つとしてご利用下さい。 【平野健児(ひらのけんじ)】 1980年京都生まれ、神戸大学文学部日本史科卒。新卒でWeb広告営業を経験後、Webを中心とした新規事業の立ち上げ請負業務で独立。WebサイトM&Aの『SiteStock』や無料家計簿アプリ『ReceReco』他、多数の新規事業の立ち上げ、運営に携わる。現在は株式会社Plainworksを創業、全国の企業情報(全上場企業3600社、非上場企業25000社以上の業績情報含む)を無料&会員登録不要で提供する、ビジネスマンや就活生向けのカジュアルな企業情報ダッシュボードアプリ『NOKIZAL(ノキザル)』を立ち上げ、運営中。 <写真/Kawasemi
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