「次元を超えた」姉妹都市提携が実現。鳥取県倉吉市の地方創生

(c)Konami Digital Entertainment/倉吉市プレスリリースより

鳥取県倉吉市発表した、全国初の架空都市との姉妹都市提携

 2016年4月1日、鳥取県倉吉市は、コナミデジタルエンタテインメントが運営するウェブ連動音楽配信事業『ひなビタ♪』の舞台となっているインターネット上の地方都市、倉野川市と姉妹都市提携を結んだことを発表した。  実在の都市と架空の都市との姉妹都市提携は全国初とされる。倉吉市は、今後、連動型の企画などを行い、観光客誘致や地域活性化につなげていくとしている。  姉妹都市提携に際して、倉野川市で活躍するガールズバンド「日向美ビタースイーツ♪」のメンバー5人が倉吉市の観光大使へ就任する。また、倉野川市観光課タウンマネージャー 「久領堤纒(くりょうづつみ まとい)」が倉吉市観光交流課のタウンマネージャーへ就任することになった。

「ひなビタ♪」と、その舞台「倉野川市」とは?

 2012年11月21日にコナミデジタルエンタテインメントが開始したWeb連動型音楽配信企画が「ひなビタ♪」である。  「ひなビタ♪」は、「商業施設の発展で寂れてしまった生まれ故郷の日向美商店街(ひなたびしょうてんがい)を盛り上げるべく、ガールズバンド「日向美ビタースイーツ♪」5人の少女たちが町興しのためにバンド活動を始める」というストーリーである。公式サイトを中心にFacebook上のブログやYouTube上のWebラジオなどで楽曲の制作風景やバンド活動の経過をリアルタイムで実際に報告していき、完成した楽曲を公式サイトおよび着うた、iTunesで随時配信している。  その舞台となったのが倉野川市だ。この倉野川市にはモデルがあった。近年ではアニメの舞台もしくはそのモデルとなった土地が「聖地」となることは珍しくないが、倉野川市もまた「聖地」となる現実の町があったわけだ。  それが、鳥取県倉吉市であった。倉吉市もまた、目ざといファンによって「倉野川市のモデルである」と発見され、「聖地巡礼」の場となっていた。そして、倉野川市の商店街の喫茶店が提供する名物メニュー「ちくわパフェ」(パフェに地域の名産であるちくわを加えたもので、「ちくわパフェだよ☆CKP」というテーマ楽曲もある)を、現実のものとして再現する喫茶店が倉吉市に登場するなど、次第に盛り上がりを見せていた。そうした動きが、今回の「次元を超えた」姉妹都市提携に至ったわけだ。
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地域活性を軸に二次元と三次元が連携
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