パナマ文書公開の影にソロスあり!? 世界で飛び交う「噂」と「憶測」

不自然なまでに出てこない米国・日本関係者

 ただ、こうした「噂」が浮上するにはもちろん背景がある。  それは、いまだ米国人の名前が今回出ていないことである。  ICIJの代表であるジェラード・ライル氏は〈「我々はウィキリークスではない。ジャーナリズムは責任感をもって報道を行なうことが出来るということを披露したい」〉と述べている。これは読みようによっては、ICIJのさじ加減でどうにでもなるとも読める。  また、米国人の名前が現われない理由として、〈まだ膨大な文書なので米国人の名前に出くわすまで時間が必要だとか、米国人はこの法律事務所を使わなかった〉といった説明がされているが、どれも説得力を欠く説明である。(参照「Infobae」)。  この点は、日本も同様だ。日本はタックスヘイブンを利用している割合は高いと言われているのに、同じく日本人名・日本企業がまだ出てこない。これも米国人はいないのと同じ説明がされるのと同様に、そこに隠れた理由があると見られても不思議ではない。

ウィキリークスも陰謀論を煽る!

 ウィキリークスもこうした「陰謀論」的な見方を後押ししている。 「パナマ文書」は米国の〈組織犯罪や汚職報告プロジェクト(OCCRP)によって組織され、国際開発庁(USAID)によって資金が賄われて誕生したものだ〉と発表したのだ。(参照「HispanTV」)。USAIDは当然米国国務省の指示で動いている。  事実と憶測が入り混じり、もはや金融業界や政界だけでなく世界中の好事家の好奇心も揺るがし始めた「パナマ文書」。  この先、どのように展開していくか、注視していきたい。 <文/白石和幸> しらいしかずゆき●スペイン在住の貿易コンサルタント。1973年にスペイン・バレンシアに留学以来、長くスペインで会社経営する生活。バレンシアには領事館がないため、緊急時などはバルセロナの日本総領事館の代理業務もこなす。
しらいしかずゆき●スペイン在住の貿易コンサルタント。1973年にスペイン・バレンシアに留学以来、長くスペインで会社経営から現在は貿易コンサルタントに転身
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