まるで企業の「せどり」――転売されるたびに買収企業を儲けさせる“弥生会計”の妙な実力

注目の非上場企業の決算まとめ

 かつてホリエモンが買収、3年で400億円もの利益をもたらしたさすらいの優良企業「弥生会計」、CMなどでおなじみの「ユーハミカクトー」って?、「本の街」神保町の顔、三省堂書店の「三省」って何?など、注目の非上場企業の決算まとめです。 弥生株式会社 1月21日官報61頁より  弥生は、会計ソフトの「弥生会計」や確定申告ソフト「やよいの青色申告」など、小規模事業主や個人事業主向けの業務ソフトの開発・販売で知られています。ちなみに、1987年に販売開始された看板の「弥生」シリーズは、日本では3月決算の企業が多く、会計ソフトがフル稼働するのが3月(弥生)であることから名づけられており、社名もそれに由来します。  元々は、1997年に米国の会計ソフト大手Intuitが日本マイコン等を統合設立した日本法人でしたが、2003年にMBOで独立(社長・平松庚三氏)、その後も、2004年にライブドアが230億円で買収、2007年に投資ファンドのMBKパートナーズがライブドアから710億円で買収、そして、2014年にオリックスが800億円でMBKパートナーズから買収、とかなり頻繁にオーナーが変遷している企業です。  普通はこれだけ、経営環境が安定しないと上手くいかなそうなものですが、弥生の場合は企業として成長を続け、買収金額も増え続けているのが凄いところですね。ライブドアなど3年の保持で、400億円もの利益を上げています。  おそらく理由としては、会計ソフトとして「弥生」が国内シェアの68%(2014年)を占めている上に、購入した約125万社のうち約41万社が有償のYSS(弥生サポートサービス)会員として登録、その継続率も90%を超えるため、売上の80%がストック収入になるというビジネスモデルの秀逸さが大きそうです。  なお、最近ではクラウド化にも力を入れており、今年に入ってからもクラウド請求管理サービスのスタートアップ「Misoca」(ミソカ)を買収したりしていますね。
弥生会計

弥生会計

売上高:138億7500万円 経常利益:24億6000万円 当期純損失:△18億4800万円 利益剰余金:△193億5400万円 過去の決算情報:詳しくはこちら http://nokizal.com/company/show/id/1275908#flst
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