photo by Christopher Skor(CC0 PublicDomain)
アメリカ大統領選挙予備選は、いよいよ中盤に差し掛かった。
今日は、民主・共和両党ともに予備選が集中する「スーパーチュースデー」。この原稿執筆中(日本時間2016年3月1日20時)は、アメリカ東部時間6時。まだ投票始まっていない。しかし、アメリカのメディアは現地時間昨夜からこの話題で持ちきりだ。
それもそのはず。今日の「スーパーチュースデー」では、11もの州(サモアもカウントに含めた)で予備選が行われる。今日の投票結果が選挙戦の趨勢を決定づける可能性が高いのだ。
共和党サイドでは、やはり、ドナルド・トランプ候補に話題が集まっている。それも選挙戦についてではない。トランプ候補は、先日、人種差別集団・クーククラックスクラン(KKK)の前代表、ディビッド・デュークからの「推薦」をもらった。
日本の選挙と同じで、推薦は候補者サイドではなく、推薦する側が勝手に出す。そしてその推薦を受けるかどうかは、候補者側が決める。トランプ氏の元にはKKKのみならず複数の人種差別団体からの推薦が次々と寄せられている。トランプ氏の「メキシコ国境に壁を作る」「あらゆるイスラム教徒の入国を禁ずる」等の発言がそうした団体に歓迎された格好だ。日本で言えば、党総裁候補の排外的発言に在特会の桜井誠や瀬戸弘幸などの面々から推薦が寄せられたようなものだろう。推薦するのは勝手だろうが、候補者サイドは一蹴して当然だ。
当然、アメリカのメディアはこの点についてトランプ氏に質した。なぜ一蹴しないのかと。しかしトランプ氏は日曜日に放映されたCNNのインタビューに「連中のことは知らない。調べてみないとわからない」と答え、これが大問題となった。インタビューを実施したCNNのみならず、右寄りのFOXまでもがトランプ氏のこの姿勢に非難を寄せている。ワシントンポスト紙などは、トランプ氏の父親の来歴まで洗い、トランプ氏の父親が昔、KKKが引き起こした暴動で逮捕されている事実を報道するまでになった。
In 1927, Donald Trump’s father was arrested after a Klan riot in Queens (The Washington Post 2016年3月1日)
政治的陣営意識の違いを超えて人種差別に厳しいアメリカのメディアとしては当然の反応といえるだろう。