「下流老人」にならないためのNISA、確定拠出年金の活用法を考える

NISA、確定拠出年金を活用せよ

「NISA」とは、英国で広く普及している「Individual Savings Account (個人貯蓄口座)」を参考にし、2014年1月1日よりスタートした個人投資家向けの少額投資非課税制度のこと。日本全体(Nippon)で、ISAの普及・定着に取組むという趣旨から、「NISA(ニーサ)」という愛称で呼ばれている。NISA(非課税口座)で投資をした上場株式や公募株式投資信託の配当所得、譲渡所得等にかかる税金は非課税となる。  2016年の1月から、「毎年120万円まで」の非課税投資枠が設定され、投資金額120万円分までの株式投資や投資信託にかかる値上がり益や配当金(分配金)が非課税。2014年から制度が始まり、2023年までの10年間、毎年新たに120万円の非課税枠が追加される。非課税の期間は、それぞれ最大5年間となっており、途中で売った場合は、非課税枠を使ったとみなされ、再利用をすることができない。非課税枠を使っての投資総額は合計600万円までとなっている。  また、非課税制度を活用した投資の運用方法として、「日本版401k」とも言われる確定拠出年金がある。確定年金は、私的年金の一つで、現役時代に掛金を確定して納め(拠出という)、その資金を運用し損益が反映されたものを老後の受給額として支払われる年金である。  確定拠出年金には、①掛け金が全額所得控除、②運用益が非課税、③受取り時の税制優遇という3つの税制優遇措置がある。①掛け金が全額所得控除については、自営業者は年間最大816,000円(毎月68,000円)の掛け金が、サラリーマンは最大276,000円(毎月23,000円)の掛け金が全額所得控除の対象となる。②運用益が非課税については、配当が非課税となり、複利効果が期待できる。③受取り時の税制優遇については、年金として受取る場合には他の公的年金と合算して「公的年金等控除」が、また、一時金として受取る場合には退職金などと合算して「退職所得控除」が受けられる。  上記の通り、NISA、確定拠出年金ともに、配当所得、譲渡所得等にかかる税金は非課税であることから、NISA、確定拠出年金ともに活用すべきである。
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