韓国政府が利用自粛を呼びかけた「北朝鮮レストラン」は本当に強力な資金源なのか?

「奉仕」ゆえの激安人件費で利益率は悪くない

瀋陽にある50席程度の中型北レス店内

 大型店を除けば平均50席ほどの規模の店が多く定休日も北朝鮮の祝日や中国の春節くらいでほぼ年中無休で営業している。客1人の単価は筆者の感覚で日本円で約2000円に設定しよう。  さらに以下の条件で考えてを設定してみる。 ・営業時間11時~22時 メイン時間①11時~14時②17時~20時(24時間営業や夜だけ営業などまちまちだが、一般的な飲食店同様この時間帯が比較的多い) ①のランチタイムはランチメニューもなくステージショーもないので客は少なく5人程度だったりする。 ②の夜営業が北レスのメイン。ステージショーに合わせて入店35人だが、日本の感覚だと信じられないがこれが一回転でだいたい終わる店が少なくない。  よって、一日の客数は慣らして40人くらいと仮定する。  となると2000円×客数40人×30日×12か月=2880万円。  この金額は総売上高なので、ここに食材などの変動費、スタッフの人件費、光熱費やテナント料などの固定費が含まれている。ただ、北朝鮮女性スタッフは、研修、奉仕名目なので、なんと人件費はほぼゼロである(もっとも、料理人の多くは中国人なので、そこに人件費はかかる)。  人件費以外の変動費だが、中国は食材費が安いので、かなり低く抑えられる。一方、店舗賃貸は高いので固定費その他は、やや高めに設定して計算すると北レスの売上高営業利益率は、45から50%くらいではと試算できる。大きい方の50%とすると、北レス一店舗の営業利益は1440万円(年)となる。  これが130店舗だから、北朝鮮が北レスから得られる利益は年間18億7200万円となる。朝鮮日報の報道よりはだいぶ控えめな数字になったが、それなりに儲けがでそうな感じだ。
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経済規模からすれば結構な収入源なのは確か
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