ロッテ免税店ホームページより
とはいえ、ライバルとなる百貨店は、軒並み、中国人観光客の囲い込み策を打ち出しており、後発となるロッテ免税店は、苦戦を強いられる可能性も。これら百貨店との競争をどのように制するつもりなのだろうか?
「ターゲットとしている顧客層に、若干の違いがあるようです。百貨店はその知名度を生かして、個人のお客様をメインターゲットととらえていますが、我々は個人のお客様だけでなく、団体客もメインターゲットに考えております。これまでに築き上げた旅行会社とのパートナーシップがありますので、この点では、有利に進められると思っております」
旅行会社とのツアーなども手掛けてきたロッテ免税店。団体客の囲い込みには、相当な自信があるようだ。
「我々には創業から35年に渡るトラベルリテーラーとしてのノウハウがあり、お客様に満足いただけるサービスを提供する自信があります。銀座店では銀座の華やかな雰囲気を感じていただけるような、ラグジュアリーな店舗作りを行っております」
ロッテ免税店といえば、韓流スターという印象が強い。日本でも、韓流スターのイメージを全面に打ち出す予定なのだろうか?
「現在のところ、韓国のスターを全面に出した店舗展開は考えておりませんが、当社の一つのコンテンツとして活用したいとは考えています。韓国で行っているようなイベント(ファミリーコンサートなど)については、もちろん日本でも行いたいと考えておりますが、現状では開催予定はありません」
昨年末、韓国国内の免税店・蚕室(チャムシル)ワールドタワー店が、関税庁の再承認を受けることができず、閉店を余儀なくされたロッテ免税店。このことがきっかけで、海外での事業展開に積極的になっているとも言われており、2017年には大阪にも進出する計画があるようだ。
爆買いに浮かれる日本だが、観光事業でのグローバル競争の経験は浅い。東京オリンピックが終わった頃、チャイナマネーの恩恵を一番受けたのは意外にも外国企業だった……なんていう可能性もゼロではなさそうだ。<文・写真/HBO編集部>