数寄屋橋交差点に位置する東急プラザ銀座の外観
国観光局の発表によると、2015年の外国人観光客数は1973万7400人。このうち、499万人と一番多かった中国人観光客が消費した額は、1兆4174億円。観光立国政策で経済成長を下支えしようとする安倍政権の狙いは、今のところは目論見どおりの結果となっているようだ。
そんな爆買いに沸く日本の現状を最も実感できる街が、銀座だ。お金を持った中国人観光客を一人でも多く囲い込もうと、百貨店がしのぎを削っており、松屋銀座は昨年9月、外国人客に特化した化粧品売り場を設け、三越銀座店もほぼ同時に、購入品の海外配送や免税手続きなどのサービスを始めている。
そして、このビジネスチャンスを外国企業も見逃すハズはなく、3月31日に開業する「東急プラザ銀座」には、業界第3位の規模を誇るロッテ免税店が進出する。
韓流スターを広告塔として起用し、ここ10年で急成長を遂げているロッテ免税店。ライバルの多い銀座で、どういった特徴を出していく予定なのだろうか?
「数年前から計画は進行していた」というロッテ免税店JAPANのマーケティングマネジャー・卯木氏に、その戦略を聞いてみた。
ロッテ免税店銀座の内装イメージ
中国人観光客の需要を狙うのであれば、ライバルの多い銀座よりも、中国本土の大都市に出店する方が、より多くのお客を囲えるはず。しかし、あえて日本の、それも激戦区に出店する理由は何なのだろうか?
「日本の市場、特に銀座という街は、非常に将来性のある土地だと考えています。昨年、日本に来た中国人観光客は約500万人。東京に来た観光客のうち、7割近くもの方が、ショッピングを目的に銀座に訪れているそうです。この状況は、2020年の東京オリンピックまで伸長するのではないかと、我々は見ております」
ロッテ免税店全店で見ても、中国人観光客の占める割合は約5割。
「旺盛な消費意欲は衰えていない」と卯木氏は見ている。