中国版グルーポン「団購」も大人気。中国でオンラインショッピング市場が拡大する理由

偽物天国、中国で消費者がオンラインショッピングできる理由

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 一時期に比べれば減ったが、まだまだ偽物が氾濫する中国で実際に自分の目で確かめずに購入するオンラインショッピングが増えるのは、ある制度が影響している。それは、明確化された返品保証だ。1、2週間など決められた期間は、返品を受け付ける。例え買って届いたけど必要なくなったなどお客都合でも問題ない。偽物が多い中国では、商品やショップに信用がないため、返品制度を明確にすることで安心してオンラインショッピングをさせているのだ。  中国最大のオンラインショッピングサイト「淘宝網」でショップを運営する日本人は、「今、中国の大手のオンラインショッピングサイトで偽物を売るのは難しいと思います。サイト側の強制力が日本の楽天やヤフーとは比べ物にならないほど強いんですよ」  中国のオンラインショッピングサイトは、返品保証と偽物駆逐を進めることで利用者を獲得しているのだ。  当然ながら、オンラインで買うなんてとんでもないと考える人たちも多く、年代が上がるほど増える。偽物が多いため、自分で見て触り、納得するまで買わない人も一定数存在する。しかし、20、30代は、このあたりの抵抗感が低く、自宅配送してくれるし、実際に触って気に入らなければ返品すればいいやと考えているようだ。  オンラインショップ市場が拡大するに従い中国では、店舗販売とオンライン販売での価格差が生じている。店舗販売だと、人件費以外にテナント料、光熱費などがかかるが、オンラインだと人件費だけで済むため、団購などの価格で販売することは難しく、閉店を余儀なくされる店舗が出始めている。特に影響を受けている業種は、衣類、家電販売、書店などで、このまま店舗減少が進めば、雇用にも影響が出てきそうだ。 <取材・文・撮影/我妻伊都(Twitter ID:@ito_wagatsuma
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