スマホ利用者の拡大で中国のネット事情は激変している
中国沿岸部の都市を中心に「団購」(トゥアンゴウ)というオンライン共同購入型クーポンが流行っている。団購とは、団体購入の略で、日本だと「グルーポン」に近く、共同購入型クーポンで購入することで安く買うことができるサービスだ。この団購がネットショッピングに比較的抵抗がない20、30代を中心に広がっている。
売られているものは、衣類、靴、装飾品、雑貨、家電、寝具、映画のチケットから、自動車やマンションの部屋までと何でも売られている状態だ。あらゆるものをスマートフォンで買っている。
共同購入といっても一定の購入希望者が集まるのを待つ必要はほとんどなく、普通にオンラインで買い物するように購入することができる。それを実現する理由は、中国でのインターネットショッピングを利用する膨大な母数にある。
団購が成り立つ背景には、中国でのスマホ普及によるインターネット利用者の急増にある。モバイル通信事業者の国際業界団体「GSMA」が2015年7月13日に発表した統計によると中国におけるスマホ普及率は62%となっており、携帯電話通信サービス加入者数は、6億7200万人に達し、日本の総人口の5.5倍以上だ。この中国の7億人近く全員がスマホからインターネット接続しているわけではないが、膨大な利用者がいることが分かる。ちなみに日本のスマホ普及率は、「日経BPコンサルティング」が2015年8月31日に発表した統計によると49.7%となっている。
団購の中には3日間限定1万人募集で販売なんて商品もあるが、数時間で1万人を集めるほど圧倒的な利用者が存在する。団購は、常時販売しているショップもあるが、多くが、春節の2月8日や5月1日のメーデー、そのショップの1周年記念など記念日に期間限定などで販売されることが多い。
中国大連でよく団購を利用するという20代女性は、「ポール・フランクのセーターを57%オフで購入できました。普通に買うのと同じですよ」と語る。57%オフの割引率は決して高いわけではなく、中には88%オフなんて破格な割引率の商品も存在している。