五輪観戦旅行の際、妊婦は特に要注意!ブラジルではジカ熱が猛威を振るうも医療が壊滅的状態

4000人の新生児が小頭症の疑いも

 2015年は北と南のアメリカ大陸の21か国で感染が記録されたという。しかし、今年はこの感染の度合いが激しく拡大している。例えば、ブラジルの場合は<昨年10月から現在まで3893件の感染の疑いが記録された>という。これは<2010年と比較して30%の増加>だという。またブラジルの場合、<4000人の新生児がこれまでジカ熱の感染で小頭症が誕生しているという疑いがあると関係当局では見ている>というのだ。(参照「BBC」http://www.bbc.com/mundo/noticias/2016/01/160125_salud_zika_america_latina_oms_lb)。 <コロンビア、エクアドル、エル・サルバドール、ジャマイカではこの先数か月の間妊娠を避けるように関係当局が市民に奨励した>という。特に、コロンビアでは<1月の第3週目までで2万297人が感染した>と統計されたという。<その僅か1週間前までは1万6419人が感染者>とされていた。僅か1週間で感染者が4000人近く増えたということになる。更に事態が深刻なのは、<感染者の中で1911人が妊婦だ>という。コロンビアの保健省では<今年末までに60万人が感染する可能性があると予測している>という(参照「El Pais」 )。コロンビアの場合、<人口の60%に相当する2600万人の国民が海抜2200mの地域に住んでいる>この高さはネッタイシマカの感染力が増大する地域だという。  これまでもブラジルはデング熱が流行っていた国で、それにジカ熱が新たに加わった。8月のリオデジャネイロでのオリンピック観戦を予定している日本人はこの二つの熱病への予防対策を充分に知った上で現地に行くことを勧める。そして、現地の医療サービスは財政難で最悪の状態にあることも知っておくべきだ。 <取材・文/白石和幸 photo by James Gathany on CDC(Public Domain)> しらいしかずゆき●スペイン在住の貿易コンサルタント。1973年にスペイン・バレンシアに留学以来、長くスペインで会社経営する生活。バレンシアには領事館がないため、緊急時などはバルセロナの日本総領事館の代理業務もこなす。
しらいしかずゆき●スペイン在住の貿易コンサルタント。1973年にスペイン・バレンシアに留学以来、長くスペインで会社経営から現在は貿易コンサルタントに転身
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