大気汚染で白く霞む北京の故宮(紫禁城)。まるで水墨画だ
中国北京の大気汚染が深刻で最悪レベルである赤色警報が出されていると日本でも報じられ年がら年中、常時深刻な状態にように思っている人も多いだろう。
確かに今の日本の環境基準、認識からするとトンデモない生き地獄状態が続いているのが現実だ。事実、元旦3連休となった今年1月2日に北京へ降り立つと、午前10時の段階で天安門広場などある中心部は、PM2.5の数値が250近くになっていた。250は、WHOの基準の約10倍、日本だと休校になるレベルだ。
今年の中国は、元旦休日が金曜日だっため土日と合わせて3連休で北京は観光客で賑わっていた。大半が地方からの観光客のためかマスク装着者は10人に1人くらいと認識の低さを感じさせた。また、北京の著名な観光地で広い故宮(紫禁城)を上から眺められることで知られる景山公園から故宮を見ると霞んで水墨画の風景のようになっていた。
北京空港内も視界不良で建物奥の搭乗口付近も大気汚染で霞んでいた
観光を終えて午後9時ごろに北京空港へ到着した時点でPM2.5は500を超えて、スマートフォンのPM2.5計測アプリの数字も真っ赤になっていた。広い北京空港第3旅客ターミナル内が、建物内にもかかわらず奥が霞んで見えない。空港は、見送りや出迎えの北京の人が多いためかマスク装着率が街中より高い。
記者は、普段、中国沿岸都市を拠点にしているので、大気汚染にはすでに慣れているはずだが、日本から来た知人たちと行動したので、マスクをしたり、外したりしながら話していたためか、喉をやられた。喉の奥がズキズキと焼けるように痛む。中国で大気汚染が深刻と言われ始めて久しいが初めて喉を痛めた。しかもたった1日半で。恐るべし首都北京……。
結局、記者が乗る予定だった北京からの国内線は1時間遅れた後に視界不良で欠航が伝えられる。翌朝6時半の便に振り替えられたので翌朝5時に空港へ戻ってみると、北京の大気は改善するも、今度は到着地の大連が大気汚染による視界不良で出発できずに遅延していた。結局、出発できたのはその13時間後の午後6時であった……。