ドイツ銀行を巡る暗い噂。ドイツ発の世界恐慌の可能性も!?

photo by Gizmo23(CC BY-SA 3.0)

 ドイツの存在なくして欧州共同体もユーロ通貨も誕生していないであろう。しかし、今そのドイツが深刻な金融危機に陥る可能性があるという。  ドイツ最大の銀行であるドイツ銀行(Deutsche Bank)の行方に強い懸念がもたれているのだ。 ◆2016年2月10日更新『リーマン・ショック以上の危険性を秘めるドイツ銀行の危機回避を阻む複数の要因』はコチラ  スペインのWebメディア「mil21」によれば、ドイツ銀行の〈金融取引総額は67兆ユーロ(8710兆円)〉と言われている。それは〈ドイツGDPの20倍に匹敵する〉という。仮に、同銀行が破綻すると、ドイツだけではその負債を賄うことは出来ない膨大な負債となる。2008年に破綻したリーマン・ブラザーズが及ぼした世界金融・経済危機を遥かに上回る事態になることは間違いない。  ドイツ銀行の経営難が表面化したのは昨年からである。この1年半の間に〈株価は45ユーロ(5850円)から26ユーロ(3380円)に下落〉している。同銀行グループで〈23,000人の人員削減が実施〉された。そして、10月8日のスペイン紙『El Pais』は〈今年の第3四半期は62億ユーロ(8060億円)の赤字が見込まれ、また来年の株主への配当金が廃止される〉と報じた。

囁かれる数々の「不安要素」

 さらに、ドイツ銀行の行方に不安を撒く種として次の4つの要因があるとスペイン電子紙『Credit y Rapidos』は挙げている。 *フォルクスワーゲン(VW)の不正ディーゼルエンジンがもたらす問題と、それがドイツの他社自動車メーカーに及ぼす影響。 *中東や中央アフリカから流入して来る難民の問題。 *ドイツの輸出が後退している。 *ドイツの重要な貿易取引相手国である中国の景気後退。  また、フォルクスワーゲンの不正問題への賠償などから、取引銀行のドイツ銀行は当面〈100億ユーロ(1兆3000億円)をVW社に融通することになっている〉ということも報じられており、この不安要素をさらに深刻なものにしている。(参照:「mil21」)
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大小さまざまなWebニュースブログなどで不安の種が取り上げられている
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