ドイツ銀行を巡る暗い噂。ドイツ発の世界恐慌の可能性も!?

 他にも、スペイン語圏ではドイツ銀行の経営に関わる不安の種は大小さまざまなWebニュース、ブログなどで取り上げられている。  同銀行が経営難にあるという噂から、〈ロシアは同銀行から50億ユーロ(6500億円)を引き出した〉という話や、〈最近3年間に違法行為があったとして80億ユーロ(1兆400億円)とその弁護料などで70億ユーロ(9100億円)を支払っている〉ということが取り沙汰されていること(参照:「mil21」)。  昨年5月に〈最高30%の値引きをしてまで流動資金だとして80億ユーロ(1兆400億円)の同銀行株を売却〉しているほか、今年3月に〈ストレステストを受けて不合格〉となっり、英国と米国とのLIBOR取引で不正があったとして米国法務省に21億ドル(2520億円)の罰金を支払う〉羽目になったことや、スタンダード&プアーズは今年6月に〈BBB+に降格〉させたこと、昨年と今年で〈二人の頭取が辞任を表明〉したことなど不安要素は数多く指摘されていること。(参照「El Robot Prescador」  などなどだ。  ギリシャの財政危機では、ギリシャはユーロ圏に残留することを決めたが、仮にユーロから離脱ということになっていれば、ドイツ銀行がギリシャに融資した資金は不良債券となってしまう。それをドイツ政府は嫌って、ギリシャをユーロ圏に留まらせたという意見もあるという。  いま、ユーロ圏では「ドイツ銀行は健全な銀行とは言えない」という認識が高まりつつある。これは、もはや一触即発、爆弾を抱えているような状況だ。何かが要因となって爆発すると、ヨーロッパそして世界を危機に陥れることになるのは明白だ。リーマン・ブラザーズの比ではない。 <文/白石和幸 photo by Gizmo23(CC BY-SA 3.0)> しらいしかずゆき●スペイン在住の貿易コンサルタント。1973年にスペイン・バレンシアに留学以来、長くスペインで会社経営する生活。バレンシアには領事館がないため、緊時などはバルセロナの日本総領事館の代理業務もこなす。
しらいしかずゆき●スペイン在住の貿易コンサルタント。1973年にスペイン・バレンシアに留学以来、長くスペインで会社経営から現在は貿易コンサルタントに転身
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