“健康コンビニ”を目指すローソンの成功の行方

 先般、ローソンとスリーエフが資本・業務提携に向け協議をはじめたのは周知の通り。コンビニ業界3位のファミリーマートも、4位のサークルKサンクスを傘下にもつユニーグループとの経営統合に向け交渉中。業界再編の空気が漂うなか、コンビニとしては一風変わった”健康戦略”を展開するローソンの経営戦略とは……。

ローソンの”健康戦略”とは?

ローソン 今年7月に開かれた「ローソン健康説明会」で、代表取締役社長、玉塚元一氏は次のような”健康戦略”と売上目標を発表した。 「健康関連商品の売上は、昨年度で約1,180億円。今年は約2,000億円の見込み、2017年度には、3,000億円に伸ばす目標です」  現在、同社の健康関連商品は、食品全体の売上の約2割を占めているという。「グリーンスムージー」は3カ月で350万本売れた大ヒット商品。9月1日には、主食の代わりになる「蒸し鶏のボウルサラダ」を発売した。今後も管理栄養士が中心となって、健康関連商品の拡充を進めていく方針だ。  その戦略の徹底ぶりは「お客さまに健康のことを言うなら、我々自身が健康でないといけない。」(玉塚氏)として社員の健康意識にまで及んでいる。健康診断の未受診者とその上司の賞与を減額する施策を断行。結果、健康診断の受診率は100%へと改善した。  そうした健康への取り組みから、ローソンは今年3月、安倍政権の「日本再興戦略」の一環である「健康経営銘柄」のひとつにも選ばれている。今年6月からローソンヘルスケアポイントをスタートし、8~9月には、健康診断で高血圧など注意事項がある社員を中心に、宿泊型研修を開催しウォーキングや食事の指導などを行う予定だという。
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ローソンが考えるコンビニの果たす役割
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