新基準「多段階定額」で格安SIMはさらに安くなる?

通信の繰り越しができない点など注意も

 では、無条件に多段階定額を選べば良いのかというと、当てはまらないケースもある。それが毎月の通信量がある程度一定を保っているユーザーだ。  例えば、現在各キャリアでの標準プランは、データ通信専用SIMでは3GBで月額900円(税込み972円)が主流。  仮にb-mobileのおかわりSIMを選んだ場合、3GB利用時の金額は月額1000円(税込み1080円)となり、わずかながら値上がりとなる。もちろん、それよりも利用量が少ない月には安くなるが、反面、3GBを超えてしまった場合には自動的に次の段階に料金があがるため、「今月はここまで」という調整もしづらい。  また、その月にあまったデータ量を繰り越しできない点にも注意が必要だ。  例えばIIJ mioでは、高速通信が可能なデータ量をクーポンとして付与し、たとえその月にはデータ容量が使い切れなかったとしても、付与された月の翌月末日(バンドルクーポンの場合)まで繰り越すことができる。つまり、多少通信容量がオーバーすることがあっても、繰り越し分で穴埋めすることができる仕組みだ。  多段階定額だと、このような使い方ができず、仮に3GBを少しオーバーした場合、4GB分の料金を支払わなければならない。そのあたりの調整が意外とシビアになってくるのだ。

多段階定額は本当にオススメなのか?

 通信量が安定している場合では、劇的な値下がりは期待できないものの、2台目として通信端末専用に使うなら効果はありそうだ。  また、FREETELなら音声通話付きの多段階定額プランが利用できるので、現状のプランで頻繁にチャージが発生しているユーザーや、家族でほとんど通信を行わないユーザーがいる場合には、ぜひチェックしてみたい。ただでさえ安い格安SIMの通信料が、さらに安く抑えられるかもしれない! <文・図版/小枝祐基 Twitter:@k_eda【小枝祐基】 スマートフォンやPC関連の取材・記事執筆を精力的に行うライター。白物家電やデジタルガジェットなどのレビューもこなす。共著に『docomo iPhone 6 Plus 完全活用マニュアル(ソシム)』『Pepper スタートブック(SBクリエイティブ)』など。
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