参院広島再選挙に「買収された議員が関わるかどうか」は、最後までお茶を濁された

西田氏を推薦する公明党議員は「自民党に聞いてください」

 西田候補を推薦する公明党議員にも聞いてみた。出陣式に駆け付けた石井啓一幹事長に「お金をもらった人(議員)が選挙に関わる可能性があることについてはどう思うか」と声をかけたが、「自民党に聞いてください」と回答。広島3区から出馬予定の斉藤鉄夫・公明党副代表にも同じ質問をぶつけると、こう答えた。 「我が党は、我が党が一生懸命頑張るということです。頑張っていきたいと思います」 「我が党はクリーンな、最もクリーンな政党ですから。しっかりと我が党が支えます」  ラストサンデーの4月18日、西田氏に再度同じ質問をぶつけて「支持者と相談した結論」について聞こうとした。しかし、事務所開きから1か月以上も経っているというのに「整理しています」と答えるだけだった。「まだ結論が出ていないのですか。ご自身の考えはないのですか」と声を掛け続けたが、無言のまま車に乗り込んだ。

結局は、被買収議員が個々の判断ということに!?

西田氏の応援演説をする小島敏文・衆院議員(前厚労政務官)

西田氏の応援演説をする小島敏文・衆院議員(前厚労政務官)

 西田候補の応援弁士の中で最も詳しく答えてくれたのは、前厚労政務官の小島敏文衆院議員だった。4月4日の尾道街宣後、囲み取材で次のように語ったのだ。 「(被買収議員が選挙に関わるのか否かは)個人の判断だろう。そんなこと、わしらがいちいち『カネをもらっているから来るな』とか言えるか。言われんよ。政治家がバッジをつけている以上、『有権者から負託を受けた』と言われたら反論できない。表には出られないけれども、裏で後援会には『(西田候補を)やってくれよ』というかも分からないし、『俺は被告人だからダメ』という人もいるかも知れないし」
二週連続で広島入りをした立憲民主党の枝野幸男代表

二週連続で広島入りをした立憲民主党の枝野幸男代表

 今回の再選挙への関与については、「被買収議員個人の判断に任せる」という方針のようだ。ラストサンデーに二度目の広島入りをした立憲民主党の枝野幸男代表は、宮口氏への応援演説を終えた後の囲み取材で、お金をもらった被買収議員が選挙に関わる可能性があることについて聞くと、こう答えた。 「それは広島県の有権者が判断することです」 「政治とカネの問題」が最大の争点の参院広島選挙区再選挙で、県民はどんな判断を下すのか。菅政権の命運を左右する可能性さえ囁かれる再選挙の結果が注目される。 <文・写真/横田一>
ジャーナリスト。8月7日に新刊『仮面 虚飾の女帝・小池百合子』(扶桑社)を刊行。他に、小泉純一郎元首相の「原発ゼロ」に関する発言をまとめた『黙って寝てはいられない』(小泉純一郎/談、吉原毅/編)の編集協力、『検証・小池都政』(緑風出版)など著書多数
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都民のためでも、国民のためでもない、すべては「自分ファースト」だ!