郷原信郎氏「お金をもらった人が平気な顔をして選挙に参加している」
宮口治子候補(左)の応援演説をした郷原信郎弁護士(右)は、被買収議員の関与について問題提起
一方、野党統一候補となった宮口氏は3月20日の出馬表明会見で、
「(被買収議員の関与について)しっかりと説明責任を果たしていただいたいと思っている」と回答。相手候補との違いを鮮明にした。
4月3日に宮口候補の応援で広島入りした郷原氏は、こう訴えた。
「(西田候補の)選対本部の立上げの集会に、
河井夫妻からお金をもらって被買収の罪に問われるはずの人たちが平気な顔をして参加している。こんな状態で自民党が選挙をやろうとしている。公正な選挙をどう考えているのか。私は、自民党の県連会長(質問状提出時は宮沢洋一衆院議員、現在は岸田文雄衆院議員)と西田氏に質問状を送りました。いまだにまったく返事なしです」
こうした無回答状態は、西田候補の事務所開きの後も続いた。4月3日の街宣を終えた岸田氏に再び「お金をもらった人が、選挙に関わるのかどうか」と聞いたが、
「けじめをつけて頑張ります」と回答。意味不明瞭だったので「(被買収者は)関わらないということか」と確認をしたが、岸田氏は
「けじめをちゃんとつけて頑張ります」と、同じ答えを繰り返すだけだった。
岸田氏にとっては、総裁選再チャレンジのための重要な選挙
西田氏の応援演説をする平井卓也・デジタル担当大臣
応援弁士にも同じ質問を投げかけた。尾道駅前での街頭演説会(4月4日)でマイクを握った平井卓也デジタル担当大臣(香川一区)は、国会審議中のデジタル関連法案について説明。
「デジタル化で一番重要なことは政治の信頼を取り戻すこと」と強調したので、街演後に直撃した。
「お金をもらった人が(再選挙に)関わることについてどう思うか。岸田さんは『(被買収者に)関わるな』と指示を出していないが、信頼回復にならないのではないか」と聞くと、
平井氏は「それはそうだろうね」と答えた。菅政権の現役閣僚が、「現在の岸田会長の対応では信頼回復にならないだろう」と認めたのだ。
岸田会長にとって今回の再選挙での勝利は、「総裁選への再チャレンジに不可欠」と見られている。岸田派の国会議員から「岸田首相誕生の第一歩」(小野寺五典・元防衛大臣)、「岸田政権誕生の試金石」(小島敏文・前厚労政務官)といった訴えが西田候補への応援演説の中で出るのはこのためだ。
そのためにも岸田会長にとっては、被買収議員に対して「再選挙に関わるな」と指示を出したほうがプラスのように思える。しかし、いまだに郷原弁護士の質問状(問題提起)には答えていないのだ。