カジノ・IRは「選挙で民意が示された」として推進する維新の“二枚舌”
一元化条例が可決された3月26日、市民有志が大阪市役所を一周して抗議のデモ行進をしていた
カジノ(IR)についても、先の松井氏の囲み取材で聞いてみた。
--「(地方行政は)身近なところで決めるべきだ」と自民党市議は言っていたが。それに全く逆行して、カジノ・IR・万博みたいな大型公共事業だけが進むことになりかねないのではないか。「身近な民意で決めるべきだ」という地方自治に逆行しているとは思わないのか。
松井市長:「二重行政を解消して府市が連携する」という民意は知事選挙、市長選挙で三度受けている。ただ住民投票というのは、区割りとか特別区設置のコストだとか、そういうところを含めて大阪市をつぶすことまではならないという民意だと考えている。
--コロナ禍でカジノ・IRに反対する民意も(二重行政解消と)同じように大きいと思うが、これはどう反映させるのか。ポストコロナ(時代)には(カジノの)ビジネスモデルは崩壊したという指摘もある。
松井市長:それはその人たちの意見で、僕はMICEを含めたビジネスモデルは成り立つと思う。これは選挙で問えばいいのではないか。横田さんが「IR止めましょう」と言って選挙に出ればいい。カジノ・IRについてはこれまで何度も選挙で公約に掲げているので、僕が市長の間は公約通りに進めていく。
都構想否決の民意は一元化条例可決で踏みにじる一方、カジノ・IRについては「選挙で民意が示された」として推進する維新の“二枚舌ぶり”が浮き彫りになる。と同時に「カジノ・IR・万博など大型事業推進が成長戦略」という、高度成長時代の自民党土建政治を踏襲する古き体質も露わになってきた。住民投票(民意)無視にしか見えない条例可決を強行した維新が、次期総選挙でどんな審判を受けるのかが注目される。
<文・写真/横田一>