誕生日の一日は、自分がこの世に生まれてきた意味を問い直す大事な日

生まれてきたことは、それ自体がこの世界への表現

奇蹟イメージ 何かが新たに生まれると言うことは、秘儀であり奇蹟だと思います。生まれてきたことは、それ自体がこの世界への表現です。  誕生日の一日を、自分がこの世に生を受けた理由を日々自分の胸に問い直す。外からやってくるいろいろな現象を啓示とみなし、日々の現象の表も裏もあらゆる方向から光を当てて、存分に味わう内省的な日として。そして、そのことを言葉や行動で外の世界に表現する日として。  生きているといろいろなことがありますが、そのことも生きているがゆえに体験できることです。  1年間は365日あり、いろいろな日があります。東日本大震災が起きた3月11日という一日は、それぞれにとって何か大きなことを思い出させてくれる内省的な日です。そして誕生日も、誰にでも訪れる、何かを思い出し、言葉や行動として表現する象徴的な日です。こうしている今も世界のどこかで、新しいいのちがオギャーと生まれてきているでしょう。 【いのちを芯にした あたらしいせかい 第10回】 <文・写真/稲葉俊郎>
いなばとしろう●1979年熊本生まれ。医師、医学博士、東京大学医学部付属病院循環器内科助教(2014~2020年)を経て、2020年4月より軽井沢病院総合診療科医長、信州大学社会基盤研究所特任准教授、東京大学先端科学技術研究センター客員研究員、東北芸術工科大学客員教授を兼任(山形ビエンナーレ2020 芸術監督 就任)。在宅医療、山岳医療にも従事。未来の医療と社会の創発のため、あらゆる分野との接点を探る対話を積極的に行っている。著書に、『いのちを呼びさますもの』『いのちは のちの いのちへ ―新しい医療のかたち―』(ともにアノニマ・スタジオ)、『ころころするからだ』(春秋社)『からだとこころの健康学』(NHK出版)など。公式サイト
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