コロコロ変わる業務方針にもうウンザリ。モチベーションを下げずに効果を上げる方法とは

 年度が変わって、全社・チーム・個人の業務方針も心機一転し、取り組み始めている時期だろう。劇的な環境変化に直面し、業務方針が大きく変更になった人も少なくないはずだ。

方針は絵に描いた餅ではない

業務計画のイメージ画像

photo via Pexels

 毎年この時期に質問を受けることに、「業務方針の実現度が高まらない」というものがある。  一生懸命取り組んでいるにも関わらず、方針が実現していかないことが繰り返される。「方針を実現しよう」「徹底しよう」と声を荒立てるにつれて、逆に現場の取り組みは希薄になる。ひいては、「方針は単なるスローガンなので、実現しなくてもしょうがない」という諦念さえ生まれてしまっている。  業務方針の実現度を高める、効果的な方法がないだろうか。このように申し上げると、「長年、多くの企業が、方針の実現のために苦労してきたのだから、そんなうまい話があるはずがない」「それがわかれば苦労しない」という声が聞こえてくる。  しかし、実は業務方針の実現度を高める方法がある。それも、数分の演習でほとんどの参加者が身につけることができ、活用できる方法だ。それが、方針実現に必要なモチベーションファクターと、自分のモチベーションファクターギャップを解消する方法だ。

モチベーションファクターがカギに

   モチベーションファクターとは意欲が高まる要素で、チャレンジすることで意欲が高まる「目標達成」、独自性を発揮することで意欲が高まる「自律裁量」、責任を果たすことで意欲が高まる「地位権限」、協力することで意欲が高まる「他者協調」、リスク回避で意欲が高まる「安定保障」、バランス維持で意欲が高まる「公私調和」の6つにわかれる。日本のビジネスパーソンのモチベーションファクターは、ほぼ均等にこの6つに分布する。  よく言われる「相性が合う」ということは、モチベーションファクターが一致しているということで、「気が合わない」という状態は、モチベーションファクターが異なるということだ。  たとえば、「目標達成」の人同士であれば、「高い目標に向かってチャレンジしよう」と誰かが言えば、ほかの人も「そのとおりだ。リスクを度外視して、取り組もう」と意気投合する。  ところが、そこに安定保障の人が入れば「いや、リスクがあるので、すぐに取り組まないで慎重に検討したほうがよい」と別の見解を持つに違いない。モチベーションファクターはなかなか変わらないので、変えようと思っても変わらない。  そこで、相手のモチベーションファクターと、自分のモチベーションファクターの両方を満たす実施内容を、プロセスに組み込んでおくとよい。「バックアッププランを立てて(安定保障)、高い目標に向かってチャレンジする(目標達成)」というようにだ。そうすると、チームの成果が上がりやすくなる。
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仕事のモチベーションは結果に直結する
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