「捨て仕事」や「人任せ」が効率を上げる。わずか10分で誰でもできるスケジューリング

 年度末、年度始に業務が集中し、多忙になる人は多いに違いない。そういうときこそ「優先順位をつけよう」と考えて、何から着手するか検討をし始めるも、その時間を捻出すること自体が忙しさに輪をかけてしまう。

10分程度で業務効率を上げる方法

疲れているイメージ画像

photo via Pexels

 とにかく手を動かさねばと思い業務を処理し始めるが、本当に重要な業務や緊急な業務が一向に進捗しない、などということになってしまっては、目も当てられない。  このように申し上げると、「繁忙期は業務量が多いのだから、どうしようもない」「残業して時間をかけるしかない」「がんばるしかない」という答えが返ってくる。  しかし、どれだけ業務量が多くても、業務が進捗するようになり、業務効率が上がり生産性が高まる方法がある。それも、誰でも10分程度で実施できるようになる方法だ。

マルチタスク管理とアクションプラニングとは

 その方法が、「マルチタスク管理手法」と「アクションプラニング手法」だ。  マルチタスク管理手法は、まず自分自身が手足を動かして実施しなければならない業務を書き出すことから始める。  業務を書き出したら、その日に実施しなくてもよい業務を除ける。残った業務のなかで、ほかの人に依頼できる業務があればそれを選ぶ。  こうして、その日に実施しなくてもよい業務と、ほかの人に依頼できる業務を除いた残りが、今日やらなくてはならない業務ということになる。  その日に実施しなくてもよい業務を選ぶということは、何もその業務を永遠にやらないということではない。実施すべき日に実施するということだ。もちろん、早めに実施することのほうがよいわけだが、その日に実施すべき業務をまず明確に実施することが、業務効率を上げることに役立つ。  筆者は、ほかの人に依頼できる業務があれば、それを選ぶことを推奨したら、「みんなが自分で業務をやりたがらなくなる」「業務のたらい回しになるのではないか」という意見に接したことがある。  チームメンバーみんなが、ほかの人に依頼できる業務があればそれを選ぶということは、業務を依頼することもあれば、業務を受けることもあるということだ。  「この業務は、この専門の人にやってもらおう」「あの業務は、この人にやってもらったら自分よりも早く完了してくれる」というように、適任者に実施してもらいやすくなる。メンバーがほかの人に依頼できる業務はないか検討し始めると、チーム全体の業務効率が上がるようになる。
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