これと同じ考え方で、
業務方針に必要なモチベーションファクターと、
自分のモチベーションファクターの両方をプロセスに組み込んでおくと、
業務方針の実現度が高まるのだ。
たとえば、「
起業家精神を発揮して情熱的に仕事に取り組む」という方針があったとしよう。この方針の実現に必要なモチベーションファクターは「
自律裁量」だ。自分のモチベーションファクター「
他者協調」だったとしよう。
この場合なら、「担当業務のプログラムの改善点のアイデアを洗い出すため(
自律裁量)、メンバーで協力して知恵を出し合うミーティングを行う(
他者協調)」というプロセスをセットする。
「
法令を遵守し、構成で透明性のある活動を行う」という「
安定保障」の方針で、自分は「
目標達成」だったら、「自分のアクションの各々について、法令順守しているかどうかを確認し(
安定保障)、その確認項目の達成度合を高める(
目標達成)」というようにプロセス設計する。
業務方針の内容は千差万別だ。千通りも業務方針のそれぞれに最も合致する、
千通りのアクションを明定することは至難の業だ。しかし、日本のビジネスパーソンが均等に分布されるこの
6通りで見極めることは、簡単で誰でも数分で実施できるようになり、効果が上がる。
業務方針のモチベーションファクターと自分のモチベーションファクターの両方をプロセスに盛り込むことを、是非試してほしい。
質問:モチベーションファクターに合わない仕事の成果を上げる方法
自分のモチベーションファクターに合っていない仕事をする時にも、業務の進捗を早めたり、ストレスを感じないようにできたりして、成果を上げる方法はないでしょうか?
回答:自分と仕事のモチベーションファクターを繋げて考える
自分とは異なる、
相手のモチベーションファクターに合致した助言・指導・進捗管理・フォローなどをしていくと、相手と自分との関係が改善します。
それと同様に、自分のモチベーションファクターとは異なる、
その仕事に必要なモチベーションファクターを意識的に発揮することを心がけていくと、仕事が進捗し、パフォーマンスが上がりやすくなります。
その仕事に必要なモチベーションファクターを意識的に発揮するということは、
自分のモチベーションファクターと仕事のモチベーションファクターを繋げて考えるということです。
たとえば、リスクを顧みずチャレンジングな取り組みをすることを好む目標達成のモチベーションファクターの人が、システムのエラーを発見する安定保障の仕事を付与されたとします。その場合は「ひとつひとつエラーを見つけることに(
安定保障)、チャレンジしよう(
目標達成)」という考え方をしていきます。
【山口博[連載コラム・分解スキル・反復演習が人生を変える]第235回】
<取材・文/山口博>