3月17日に緊急事態宣言の解除の検討等についての会見を行う菅総理。政府インターネットTVより
日本はもとより、世界各地で深刻化し始めた「第四波」
筆者は、これまでに本邦では
2月から非季節性第四波エピデミックが発生しているという
指摘をしてきました。残念なことに、2月中ならばなんとか未然に制圧できた第四波エピデミックは、
本邦政府の無為無策によって本邦全域でSurge(波、うねり)発生が見られるようになり、既に
宮城県や大阪府、愛媛県などの幾つかの道府県では既に指数関数的増加が見られるなど深刻な状態となりつつあります。一方、現時点で東京都などでは、Surgeの発生は見られますが指数関数的増加までは見られていませんので、すぐに介入すればそれほど大きな影響なく制圧できます。勿論、
国策エセ科学・エセ医療防疫政策の策源地である神奈川県や東京都ではたいした対策をしない可能性が高いです。また
千葉県では、変異株がドミナント(支配的地位)を占めている可能性が報じられています。
本邦における第四波エピデミックでは、県単位でのエピデミック状況に違いが大きくみられるという特徴があります。筆者は、このことについて見極めるために現在、県単位での監視を開始しています。
世界に目を転じても欧州では、
英国変異株(B.1.1.7)による非季節性エピデミックSurgeの発生によりロックダウンや社会的行動制限の強化を行う国が相次いでおり、合衆国でも日毎新規感染者数の目立った増加を示す州が増加しています。南米では
ブラジルがいよいよ「コロナはたいしたことない」政策の破綻を来し、世界最悪の状況に陥りつつあります*。ブラジルでは、ブラジル変異株(P.1)がドミナント(支配株)であるとされますが、P.1は、強い感染力、ワクチンや抗体治療薬を無効化する免疫回避能力、強い毒性を持っており、全世界は、次の(本邦第五波)エピデミックを起こす可能性のある変異株として警戒を強めています。
〈*
Covid: Brazil’s Jair Bolsonaro shuffles cabinet as pressure grows 2021/03/30 BBC
統計を見ると、アジア全域(ロシアを除くトルコ以東)、欧州、南米でも既に季節性エピデミック「秋の波」を凌駕するSurgeとなっています。
欧州、南米、北米、アジア、アフリカ、大洋州と日本における日毎新規感染者の推移(人7日移動平均 線形) 2020/02/05〜2021/03/28/アジア、アフリカ、大洋州と欧州、南米、北米で明確に感染状況が一桁から二桁異なるが、これが謎々効果(Factor X)の結果である/OWID
まず
日本、韓国、台湾の2021/03/28現在の統計を比較して行きましょう。
日本、韓国、台湾、アジア全体における百万人あたりの日毎新規感染者数の推移(ppm, 線形, 7日移動平均)2020/09/01-2021/03/28/OWID
日本と韓国、台湾における100万人あたり日毎新規感染者数の推移(ppm, Raw Data, 線形)2020/09/01-2021/03/28/OWID
アジア全域*は、
既に指数関数的増加を示しており12/3の過去最高値を超えています。従ってアジア全域では、COVID-19パンデミックが過去最大の状態にあると考えて良いです。
〈*OWIDでアジアとは、トルコ、紅海以東を指し、ロシアは欧州に入る〉
本邦では、都道府県によるエピデミック状況の差が大きいのですが、
既に指数関数的増加を示しつつあると考えるべきです。本邦の日毎新規感染者は、3/28時点で13.59ppm*であり、2020/11/19の状態に相当します。
〈*ppmとはParts Per Million (百万分率)を示し、百万分の1である。「ピーピーエム」と読む〉
韓国は、徐々にBaselineを上げつつも
K防疫によって平衡状態を維持しています。
台湾では、2月来国内感染者はほぼ見られず、空港検疫などで入境者から新規感染者を発見するに留まっており、現時点ではエピデミックは生じていません。
次に日毎新規感染者数の一週間・二週間変化率を見ましょう。筆者は、本邦ではよく使われる実効再生産数よりも一週間・二週間変化率を好んで使います。どちらも一長一短ありますので使い分けが大切です。