次に死亡関連統計を見ましょう。
日本、韓国、台湾およびアジア全体での百万人あたり日毎死亡者数の推移(ppm 7日移動平均 線形)2020/09/01-2021/03/21/日本は、1/1に過去の集計漏れを一括計上しているために1/1から7日間の日毎死亡数が跳ねているが、これは一括計上による統計の乱れである。以前は1/19に計上されていたが、評価の邪魔になるので1/1に移された/ アジア全体と日本、韓国、台湾における致命率(CFR)の推移(%)2020/09/01-2021/03/21/OWID
日毎死亡者数と致命率(CFR)*をみますと台湾では、9/1以降の死者はたったの3名です。これは人口比換算で本邦の17名に相当します。本邦は同期間に7508名死亡です。全ては数字が結果を示します。台湾は本邦に比して442倍優秀なのです。台湾の年齢構成は本邦に近く、超高齢化社会ですので「若いから死なない」という知ったかぶりは棄却されます。
〈*CFRとは、診断付きの累計死者数を診断付き累計感染者数で割ったものである。その為感染者数の大幅な過小評価となり、概ね5〜10倍ほどの致命率の過大評価となる傾向があるが、実測値として一般的に使われている。これに対し真の死者数を真の感染者数で割ったものはIFRであるが、推定値となる〉
韓国では、死亡数は漸減しています。新規感染者数が横ばいですのでその限り、現状維持となるでしょう。
本邦は、相変わらず死亡数が高止まりするという異常事態が続いていますが先週、死亡数が久しぶりに順調な減少をみせました。連動してCFRが1.94%をここ半年の最高値としてやっと低下に転じています。これは久々の朗報と言えるのですが、既に3月に入って以降30%の日毎新規感染者増となっていますので、死亡数の遅行時間から考えてそろそろ日毎死亡数は上昇に転じると考えられます。医療従事者は、COVID-19による医療への負荷増大に備える必要があります。
次に検査数関連統計を見ます。
日本、韓国、台湾における千人あたり検査数の推移(‰,7日移動平均,線形)2020/1/23〜2021/3/19/ 日本、韓国、台湾における新規感染者一名発見あたりの検査人数(no Units,7日移動平均,線形)2020/01/28〜2021/03/19/一人の感染者を見つけるために何人にPCR検査をしたかという指標で、検査陽性率の逆数でもある。日本以外では、極めて重要な指標と見做されている/OWID
検査数にはPCR検査と抗原検査が含まれますが、以前の記事で繰り返し指摘してきた本邦の致命的大失敗が示すように本邦の欠陥品とも言える抗原検査は、膨大なすり抜けが生じます。またCOVID-19検査のGolden StandardであるPCR検査に比して抗原検査の利点はラボが要らないという点であり、一方で陽性結果の扱いはPCR検査による再検査を要し、検査陰性者も日本のように感度が極端に低いガラクタも存在しすり抜けが生じるために抗原検査の採用には本邦を除く世界は消極的になってきています*。
〈*但し、ラボが要らないという抗原検査の利点は捨てがたく、僻地などの検査インフラの乏しい環境では抗原検査が使われることもある。アフリカ諸国では、ドローンの活用によってPCR検査が積極的に採用されている〉
千人あたりの検査数では、韓国、日本、台湾の順となっています。これはいつも指摘するように台湾では既に国内感染者が殆どいなくなっているので大量検査の必要がなくなっているからです。韓国は、感染者増大に即応して検査を増加し、更に12/14以降はソウル首都圏域で大規模一般PCR検査を導入しています。これらによって感染者が増えれば制圧するという関係が出来上がっています。本邦は、世界唯一のジャパンオリジナル・国策エセ科学・エセ医療デマゴギーによって検査を抑制し、統計すら壊れてしまうほどの惨状ですが、検査数自体は韓国より多く必要とし、「検査抑制ではない、検査効率化だ。」というジャパンオリジナル・国策エセ科学・エセ医療デマゴーグ=医療右翼の主張に反して、極めて効率が悪く、資源を浪費し、そのうえ感染状況も東部アジア・大洋州ではワースト3〜4となっています。
台湾がなぜ上手くいっているかは、全期間の感染者1人を発見するに用いる検査人数(検査数)ではっきりします。
台湾では、昨年夏までは感染者1人を発見するのに1000〜4000人のPCR検査を実施しています。これによって未発見の市中感染者、検疫での感染者を徹底的に探し出して、そのうえで接触追跡、検査、隔離、治療と行っています。
初動で理屈に適合した、科学的知見と論理的思考に従った検査態勢で、国内をバブル=安全地帯にすることで結局安上がり且つ犠牲を殆ど出さず、経済活動も極めて好調です。台湾方式は、理想ですが、これに準じる方法としてニュージーランドや豪州、シンガポールが挙げられます。またアイスランドも大成功国と賞賛されています。
強権的で自由主義圏ではとても真似ができませんが、都市封鎖、地区封鎖を行い且つ都市単位数千万人の一挙全員検査という豪快な方法を中国が行ってやはり大成功を収めていますが、実は中国の検査数統計などは不透明です。
韓国は、K防疫が昨年こそは有効に機能し、世界から注目されてきましたが、台湾、ニュージーランド、豪州、シンガポールなどに比べると限界が目立ってきています。
防疫は、結果が全てでありその結果は数字として明確に表れます。本邦は、韓国、台湾と比較するだけでも
一人負けが自明ですが、
検査抑制論というその論拠自体がエセ科学であり反科学であるゴミ屑国策教条主義を「日本方式」として「世界に教えてやろう」などと、猿山のボス猿のような事を公言していたのが
日本であり、
安倍首相(当時)と政権関係者であり
医療右翼(地獄医者とその取り巻き)の面々です。
その結果が謎々効果で下駄を履いているから壊滅を免れているだけの大敗北国家日本です。ここで核兵器級のB.1.351(南ア株)やP.1(ブラジル株)がドミナントになれば、どれほど悲惨なことになるかは推して知るべしです。不幸中の幸いですが、現時点ではB.1.351もP.1も市中へ侵入こそしていますが、まだドミナントになるに至っては居ません。ウィルス間の競合が起こっているとすれば現時点では、B.1.1.7に圧迫されている状況です。