次にキューバ国内の医療事情について触れた記事がキューバの独立系電子紙
『14ymedio』(2月20日付)で掲載された記事を紹介しよう。
それは同じく外国に派遣された経験を持つ医師が匿名希望で同紙に語ったものだ。それによると、キューバ国内では水不足や手術用の手袋の不足から手術が延期されたり、同じように治療用の医療機器の破損といったことで患者への医療サービスが中止となることが良くあるそうだ。
また病院や診療所の実態は最悪だという。入院した患者に支給される食事内容は満足するには程遠いもの。最新医療機器による診察になるとその順番が来るまで非常に複雑で診察を急ぐ必要のある患者にとっては人道面での不足が問われるほどに時間のかかるものだという。
このような実情を抱えたキューバの医療団と国内の医療事情は外国に派遣されて活躍する医療団の姿からでは想像できないほどだ。
<文/白石和幸>
しらいしかずゆき●スペイン在住の貿易コンサルタント。1973年にスペイン・バレンシアに留学以来、長くスペインで会社経営から現在は貿易コンサルタントに転身