日本と欧米の女性向け「恋愛記事」を比較してみて気づいたこと

 我々が普段ニュースサイトなどで目にする「恋愛記事」。そのなかには、気になる相手に言ってはいけない「禁句フレーズ」、異性に「言われたくない言葉」などを扱ったものも少なくない。  当たり前だが、こうした「恋愛記事」は日本に限ったものではない。筆者が現在住んでいる東欧・ポーランドや、英語圏でもこういった記事は人気なのか、ニュースサイトやSNSで見かけることは、珍しくない。  しかし、その中身をじっくり読んでみると、欧米と日本では恋愛観に違いがあるというよりも、表現の仕方などに大きく男女格差が表れているように思えてならない。

ハッキリと「NO」を示す欧米

カップルのイメージ画像

photo via Pexels

 まずは、そもそもの記事タイトルだ。アメリカの「コスモポリタン」やポーランドの「クリティカ・ポリティチュナ」を例に挙げてみよう。「女性が男性に言われたくない言葉」という趣旨の記事では、下記のようなタイトルが並ぶ。(参照:krytyka politycznaCOSMOPOLITAN)  「女性が絶対に聞きたくないこと18選」  「親愛なる男性たちへ。私たちがあなたたちから聞きたくない15のこと」  「女性がベッドで聞きたくないこと10選

遠回しに「忖度」を求める表現が主流?

 続いて媒体名は伏せるが、日本語で同趣旨の記事を検索してみると、次のようなタイトルが表示された。  「彼氏に言われて傷ついた言葉●パターン」  「女性が言われたくないNGワード集」  「彼氏に言われたくない言葉ランキング」  まず、ハッキリと読み取れるのが、欧米の記事はタイトルから「聞きたくない」と、かなり直接的に「NO」を突きつけているのに対して、日本の記事は「傷ついた」「言われたくない」と、やや遠回しな表現をしている点だ。  「NO」と言われているのに、そうしたフレーズを繰り出せば、男性は加害者である。  いっぽう、「傷ついた」「言われたくない」という表現では、「意図せずして否定的に受け取られてしまう」こともあるので、男性はある意味「忖度」を求められることになる。  恥ずかしいことに、筆者も女性に対して否定的な言葉を口にして、「そういうつもりじゃなかったのに」というフレーズを幾度も発したことがあるが、日本のタイトルには、そうした自己弁護の余地を与え、「男女間の価値観の違い」でお茶を濁すようなニュアンスが、多分に含まれているように感じる。
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「ハラスメント」に悪気の有無は関係なし
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