他者への攻撃や報道阻止に使われる「SNSの著作権フィルター」。米警察が活動家のライブ配信を阻止した事例から考える
動画サイトだけではない、AV撮影時の音の禁忌、小説投稿サイトの歌詞の禁忌
動画でなくても、音楽関係は著作権が厳しい。歌詞などを本に載せる際には、非常に気を使うという話はよく聞く。小説投稿サイトでも、歌詞については特に気を使っている。小説投稿サイト最大手の「小説家になろう」でも、歌詞転載に関してというガイドラインページが用意されている。歌詞を掲載した際には、早ければその日のうちに警告が来て、そのページが見られなくなったりする。 また、著作権といえば、アメリカの DMCA(Digital Millennium Copyright Act:デジタルミレニアム著作権法)の問題がよく語られる。虚偽の著作権侵害申請により、コンテンツが非公開になるという問題が頻繁に発生している。 侵害が申請された場合、サービスを提供している側が、とりあえず非公開にすれば責任を問われない。そして申告された側が、著作権違反をしていないことを証明しなければならない。そのため、気に入らないコンテンツを消させたり、自社に不利な情報を隠したりするために、DMCA はよく利用される。 この DMCA といえば、2月の末に、このフィルターが発動した珍事件もあった。メタリカの Twitch ライブが DMCA のフィルターに掛かり、著作権フリー曲に差し替えられたというものだ。メタリカは、DMCA の普及を後押しした過去があるために、壮大なブーメランだとネットでは話題になった(ギズモード・ジャパン)。AV撮影中の音に関するトラブルの話 pic.twitter.com/PiapZt44UN
— 蛙野エレファンテ@単行本2巻2月9日発売! (@erefante) February 5, 2021
著作権フィルターという「双刃の剣」
やない まさかず。クロノス・クラウン合同会社の代表社員。ゲームやアプリの開発、プログラミング系技術書や記事、マンガの執筆をおこなう。2001年オンラインソフト大賞に入賞した『めもりーくりーなー』は、累計500万ダウンロード以上。2016年、第23回松本清張賞応募作『バックドア』が最終候補となり、改題した『裏切りのプログラム ハッカー探偵 鹿敷堂桂馬』にて文藝春秋から小説家デビュー。近著は新潮社『レトロゲームファクトリー』。2019年12月に Nintendo Switch で、個人で開発した『Little Bit War(リトルビットウォー)』を出した。2021年2月には、SBクリエイティブから『JavaScript[完全]入門』、4月にはエムディエヌコーポレーションから『プロフェッショナルWebプログラミング JavaScript』が出版された。
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