中国版テスラからアマゾン・キラーまで。世界的企業の[2番手銘柄]に乗るべし!

 日経平均は3万円を超え、コロナバブルの警戒感も高まる。しかし、世界にはまだまだ成長が期待できる銘柄も。成功したビジネスモデルをマネる2番手銘柄にこそ勝機あり!

世界的企業の[2番手銘柄]に乗れ!

マネ得

「中国版テスラ」ニオ(上海蔚来汽車)の販売店。蔚来は「青空を取り戻そう」という意味 写真/朝日新聞社

 バブル期以来、ついに日経平均は30年半ぶりに3万円を回復。米国市場の株高をけん引しているのはGAFAをはじめとする世界的なハイテク企業だ。しかし、それら以上に上昇しているのが、米国で成功したビジネスモデルを成長国で展開する2番手企業。  例えば次世代電池搭載EVのテスラの株価は’20年の1年間で8倍になったのだが、「中国版テスラ」の異名を持つニオは13倍。本家テスラ株を超える爆騰を見せた。
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テスラのライバルである中国・電気自動車メーカーのニオ。1年間で株価は13倍と急上昇した。2060年までに脱炭素を掲げる中国の市場は今後も拡大が予想される

 また、日本でも音声SNSのクラブハウスが急速に話題となるなか、中国版クラブハウスと言われるリージーは2月に入って株価が4倍、アゴラなど関連銘柄も高騰している。  さらに、中国企業には「本家を凌駕する斬新なビジネスモデルも続々と誕生している」と楽天証券の土信田雅之氏は話す。 「ニオは車体とバッテリーを切り離し、電気自動車の課題であるバッテリーの充電や交換が気軽にできるサブスクを開始しました。これはテスラもやっていません。  EC分野でも、グルーポンの進化系のピンドゥオドゥオは共同購入というビジネスモデルを確立。安く商品を買うために、ユーザー同士が呼びかけ合って、共同購入します。SNSとの相性がよく、’15年の立ち上げから急速に普及し、今ではアリババ、中国版アマゾンと呼ばれる自社直販のJDドットコムに次ぐネット通販の業界で3番手になりました」

勢いを増すテンセント系

 群雄割拠の中国IT企業はバイドゥ、アリババ、テンセントのいわゆる「BAT」を中心に大きく3つのグループに分かれる。土信田氏は「特にテンセント系が勢いがある」と話す。 「JDドットコムも筆頭株主はテンセント。テンセントはLINEのようなメッセンジャーアプリ『WeChat』で成功し、広告収入を重視している。ユーザーのアプリやサイトの滞在時間が他社サービスと比べ、長くなるように映像、音楽、ゲームなどコンテンツにも力を入れています。そのため中国の動画配信サービスではバイドゥ傘下の中国版ネットフリックス『アイチーイー』より、テンセントが出資する『ビリビリ』に注目したい。  ほかに面白いのは、テンセントの初期メンバーが立ち上げたSNS型オンライン証券のフツ・ホールディングス。米国でゲーム感覚で投資できる投資アプリ『ロビンフッド』が話題になったように、コロナ禍で若い個人投資家が増えたのは中国も同じ。株価は今年に入ってからすでに4倍に伸びています」  中国が独自のIT企業を輩出できるのは世界的なネットサービスが規制されているのも理由の一つ。 「中国ではアマゾンやグーグル、ネットフリックス、LINEなどが利用できない。そのため中国のIT企業は独自の進化を遂げているが、一方で米中摩擦がなければ、世界でトップを取れるような洗練されたビジネスモデルが出てきているのも事実です」
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南米の決済サービスは成長の余地が大きい
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