東京入管でクラスター発生、男性被収容者の約4割が感染。施設内のコロナ対策がずさんすぎる?

被収容者39人、職員6人が感染。感染者はまだ増えている!?

東京入管でコロナクラスターが発生した

東京入管でクラスターが発生した

 東京都港区にある東京入管の収容施設で、ついに新型コロナウイルスのクラスターが発生してしまった。  昨年8月、収容されていたイラン人のジャファリさんがコロナに感染した。昨年7月半ばから東京入管局では職員4人(本局3人、羽田支局1人)のコロナ感染が判明している。しかしそれらの職員は部署が違うので、特にジャファリさんとの接触があったわけでもなさそうだ。  理由は不明のまま、4回目の検査で9月末にやっと陰性が出た。その間、不衛生な部屋に隔離されたままで「自分で掃除するように」と職員に指示されていた。検査は採血ばかりでよけいに具合が悪くなり、CTスキャンなどの検査や治療は受けさせてもらえなかった。やっとコロナが治ったと思っても、職員や他の被収容者に煙たがられるなど、辛い思いを体験したという。  入管総務課は「コロナ対策を一貫してしっかりやっている」と言い続けていた。しかし、被収容者たちは「とてもそうは思えない」と口々に言っていた。  そしてとうとう今年の2月15日、東京入管の被収容者から支援者に「たくさんの人がコロナに感染してしまった」との知らせが入った。16日に入管はツイッターで状況報告をしたが、明確に「クラスターを起こした」という書き方はしていない。同日は午前中までは通常の面会はできたが、午後から急遽中止となった。  2月19日までに、被収容者約130人のうち39人と、職員6人の感染が確認された。被収容者からは「まだ感染者は増えている」との連絡がきている。

収容所内にはどこにも逃げ場がなく、どうしようもなく怖い

検温イメージ 約30人の女性被収容者たちも検査を受けたが、今のところ感染はしていないという。しかし面会が禁止になる以前は、男性と廊下ですれ違ったり同じエレベーターを使ったりしていた。今が陰性だからといっても、安心はまったくできない。  現在、女性たちは部屋に閉じ込められていて、フリータイム(開放処遇)はない。シャワーは一部屋ごとに順番に使用している。「毎日職員が入れ替わるので、とても不安」「自分たちにはどこにも逃げ場がなく、どうしようもなく怖い」「家族や支援者と面会ができずにストレスがたまる一方。早く出たい」などと、支援者や弁護士に助けを求めている。  ある女性は「男性たちの多くはコロナに感染してしまったが、自らどこかへ遊びに行くなどしてわけでもなく、収容施設にいるだけで感染した。非常に気の毒だ」と心配していた。
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「ちゃんと治療をしてくれるのか」と聞いた感染者に暴行?
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ある日の入管~外国人収容施設は“生き地獄”~

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