引き渡し日延期によるリスクとコストを契約者が被ることになる一方、デベロッパーは“丸儲け”しているのだという。
「選手村としての使用期間中は、物件の所有者であるデベロッパーが販売済みの物件を東京都に貸し出すという契約になっているのですが、延期された1年分の追加の賃貸料として約40億円が支払われる契約を自ら締結しているのです。
もちろん原資は都民の税金。ちなみに民事調停で我々が求めている補償は、合計しても1億円に満たない金額です」(轟木氏)
なお、売り主となる企業グループの広報を担当する三井不動産は、「個別の案件については回答を差し控えたい。対応は民事調停の申立書を見てから協議する」と答えるにとどまった。
遺恨を残したままでは、住み心地は最悪なものになるだろう。
<取材・文/奥窪優木 撮影/バーナード・コン>